
クォーツ時計は高精度で扱いやすく、日常使いにぴったりの腕時計として広く親しまれています。ですが、機械式時計に比べて寿命が短いとされることもあり、購入や継続使用にあたって不安を感じる方も少なくありません。
「クォーツ時計が欲しいけど、寿命ってどれくらい?」「寿命が短いって本当?」「最近止まったけど、もしかしてもう寿命…?」そんな疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、クォーツ時計の寿命の目安から、故障のサイン・長く使うためのケア方法・修理や売却の判断基準まで、初めての方にもわかりやすく徹底解説します。
目次
クォーツ時計とは?
クォーツ時計とは、水晶振動子(クォーツ)を利用して時間を刻む腕時計のことです。電池から供給された電力によってクォーツが一定の周期で振動し、それを基にして正確な時を表示します。1970年代の登場以来、機械式時計に比べて高精度・低価格・メンテナンスの手軽さで世界中に普及しました。
現在では、日常使いからビジネス、フォーマルまで幅広いラインで展開されており、国内外の多くの時計ブランドがクォーツ式モデルを展開しています。
クォーツ時計の寿命は一般的には10~15年ほど
クォーツ時計は、本体内部の電子回路やムーブメントによって寿命を迎えます。使い方や保管環境にもよりますが、一般的な寿命の目安はおおよそ10〜15年ほどとされています。
なお、本体寿命とは別に、電池寿命は通常2~3年程度です。定期的に電池交換を行うことで、不具合や液漏れを防ぎ、時計自体も長持ちするようになります。
ブランド・モデルによっても異なる
クォーツ時計の寿命は、ブランドやモデルによっても大きく異なります。高級モデルでは、設計やパーツ精度の高さから、より長く使えるケースもあります。
- ロレックス(オイスタークォーツ):20〜30年ほどの使用も可能。ただしすでに製造終了モデルであるため、部品の入手が困難な場合も。
- グランドセイコー:通常のクォーツでも15〜20年、ツインクォーツや9F系ムーブメント搭載機は30年近く使える例もある。
- シチズン/カシオ(G-SHOCK含む):設計寿命は10〜15年。タフネス設計であっても定期的な電池交換やメンテナンスは必要。
とくにグランドセイコーの9Fクォーツは、従来のクォーツムーブメントを超える高精度・長寿命を実現しており、“一生モノのクォーツ”とも称される存在です。
機械式時計やソーラー式時計との寿命の違いについては、以下の記事も参考にしてみてください。
▶︎腕時計の寿命は何年?種類別の目安と寿命を延ばすための方法を解説
クォーツ時計が止まった…寿命?それとも電池切れ?
「急に時計が止まったけど、これって寿命? それとも電池切れ?」そんなときは、まずは焦らず冷静にチェックすることが大切です。
クォーツ時計は精度が高くトラブルも少ないため、ちょっとした異常でも不安になりがちです。ただし、電池切れと寿命のサインは異なるため、見極めるポイントを知っておくと安心です。
この章では、止まったときの原因チェックと、寿命かどうかを判断するポイントをわかりやすく解説します。
腕時計が止まったときのチェックリスト
まずは、止まった原因が「電池切れ」なのか「寿命」なのかを切り分けることが大切です。以下のチェック項目を参考に、症状を確認してみましょう。
電池切れのサイン
- 秒針が2秒ごとに動いている
「ステップ運針」と呼ばれる症状で、電池残量が少なくなっているサインです。電池交換をすれば通常は復旧します。
寿命を疑うべきサイン
- 電池交換後すぐに止まる・動かない
ムーブメントや電子回路に不具合がある可能性が高く、本体の寿命が近いサインです。 - 時間がズレやすくなった
基板や歯車など内部の精度に異常が生じている可能性があります。 - サビ・結露・液漏れが見られる
内部の劣化がかなり進行しており、修理が難しい状態になっているケースも。 - 10年以上使っている
クォーツ時計の一般的な寿命(10〜15年)を超えている場合、経年劣化による不具合の可能性が高まります。
上記の症状が当てはまる場合は、時計店での点検や修理相談をおすすめします。
クォーツ時計を長持ちさせるには?
クォーツ時計は構造がシンプルで扱いやすい反面、日々の使い方によって寿命が大きく左右される繊細な一面もあります。せっかく手にした大切な時計を長く使うためには、ちょっとした気配りや定期的なメンテナンスが欠かせません。
この章では、電池交換の注意点や日常ケアのコツ、オーバーホールの必要性まで、クォーツ時計を長持ちさせるための具体的な方法をわかりやすくご紹介します。
日常のケアで寿命を延ばす
クォーツ時計を少しでも長く使い続けるためには、日々のちょっとしたケアが大切です。
以下のポイントを意識するだけでも、劣化やトラブルのリスクをぐっと減らすことができます。
- 磁気を避ける:スマホやスピーカーなど、磁力を発する機器のそばに長時間置かないようにしましょう。目安として5cm以上離して保管・使用するのが安心です。
- 水気に注意する:防水モデルでも油断は禁物。濡れたらすぐに拭き取り、防水パッキンの劣化などにも気を配りましょう。
- 定期的な汚れ落とし:柔らかい布でケースやバンドをやさしく拭くだけでも、劣化防止に効果的です。金属や革など、素材に合った専用クリーナーを使うとより安心です。
長期間使わないときは電池を抜いて保管
長期保管する場合は、電池の液漏れリスクを防ぐためにも、あらかじめ電池を抜いておくのがベストです。
また、保管場所は湿気が少なく風通しのよい場所を選びましょう。
電池は早めに交換して液漏れを防ぐ
「まだ動いているから」と放置して使い続けた電池は、液漏れの原因になります。
液漏れによって内部基板やムーブメントが腐食するおそれがあるため、電池の使用年数を意識し、早めの交換を心がけるのが安全です。
定期的なオーバーホールで内部をリフレッシュ
クォーツ時計も、長く使い続けるなら5〜7年に1度のオーバーホールが推奨されます。
油切れや部品の摩耗によるトラブルを未然に防ぐことができ、時計の精度や寿命を維持するのに役立ちます。
クォーツ時計は寿命が短いが“長く使う”こともできる
クォーツ時計は「寿命が短い」と言われることもありますが、実際にはモデルの品質や使い方次第で大きく差が出ます。たしかに内部の電子部品やムーブメントには限界がありますが、丁寧に扱えば10年、20年と長く使い続けることも可能です。
「止まった=買い替え」と決めつける前に、まずは以下のような基本的なメンテナンスを意識してみましょう。
- 電池交換をこまめに行うことで液漏れやトラブルを防ぐ
- 磁気・水分・衝撃を避けるなど、日常的なケアを習慣にする
- 5~7年ごとのオーバーホールで内部のコンディションを保つ
それでも不具合が続くようであれば、修理・買い替え・売却の選択肢を冷静に検討することが大切です。
とくに高級モデルや人気ブランドのクォーツ時計であれば、故障していても買取価値が残っている場合があります。
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