銀価格はこれからどうなる?高騰している理由と5年後、10年後の予想を解説

昨今、金価格が史上最高値を更新し、価格が高騰しています。しかし、金だけではなく、銀価格も高騰していることをご存じでしょうか?

この記事では銀価格のこれからの予想と、高騰している理由を解説します。お手持ちの銀製品を売りたいと考えている人や、銀製品の購入を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

本記事に記載された将来の価格見通しや市場動向は、複数の業界レポートや公開情報をもとに編集・推定したものであり、いかなる投資判断を保証するものではありません。ご自身の判断と責任において参考情報としてご活用ください。


銀価格のこれからは?現在の動向と今後の予想

 

銀価格は上昇傾向にあり、今後の動向にも関心が高まっています。

ここでは、現在の相場状況や直近の変化、5年後、10年後の価格予測に加え、これまでの価格推移と将来の見通しを詳しく解説します。

現在の銀価格


※出典:田中貴金属「銀価格推移 月次価格推移」

銀の価格は、需要と供給のバランスによって毎日変動しています。上記の表は2024年1月~2025年8月までの銀価格の変動を示したグラフです。銀価格は徐々に上昇しており、2025年9月9日現在の銀価格は1グラムあたり212.74円(店頭小売価格、税込)です。

これに応じて買取価格も変動しています。2025年9月9日現在、純度別の買取価格は以下の通りです。

銀の買取相場価格

純銀(Sv1000)インゴット:208円
Sv1000:197円
Sv925:177円

※2025年9月9日現在の買取参考価格です
※出典:ブラリバ「銀(シルバー)今日の1gあたりの買取相場価格」

国際相場で2024年は、1トロイオンスあたり年平均28.27ドルだったものが、2025年9月現在、1トロイオンスあたり年平均33.49ドルに達しています。国内指標も同様で、銀価格は2024年の1グラムあたり年平均141.42円から、2025年9月現在、1グラムあたり年平均160円台へ上昇しています。

背景にはインフレ懸念の高まりや安全資産需要の拡大があり、銀は約14年ぶりの高値水準です。

最新価格情報は以下のページから確認できます。
>>【随時更新】銀の参考買取価格はこちら!

2030年(5年後)の銀価格予想

2030年(5年後)の銀価格は、短期的に上昇基調を維持する可能性が高いと見られます。

複数の機関が強気(上昇)予想を発表しており、中でもUBS(Union Bank of Switzerland)は投資需要やドル安を背景に「数か月以内に1トロイオンス=40ドル(約6000円)に達する可能性がある」という見通しを発表しました。

米国の金融政策も重要な要因で、利下げ局面入りは一般的に貴金属相場の追い風となります。実際、2019年7月に米FRBが利下げを決定した際には銀価格が上昇に転じました。

さらに、HSBC(香港上海銀行)も2025〜2027年の価格予測を引き上げ、安全資産需要の増加を背景に中期的な高値圏の継続を見込んでいるのです。

こうした状況から、2030年頃まで銀相場は徐々に上昇すると考えられます。

2035年(10年後)の銀価格予想

2035年(10年後)の銀価格は、長期的にも上昇基調を維持する可能性が高いと予想されます。世界市場では需要が供給を上回る状態が続いており、この構造が長期的な価格押し上げの要因です。

需要面では、太陽光発電や電気自動車など脱炭素関連産業における銀の重要性が高まり、各国の政策支援も後押しして今後も安定した需要が見込まれます。また、国際情勢が不安定な状況下では、安全資産としての投資需要も根強いかもしれません。

いっぽうで、供給や技術動向による下落リスクも考えられます。銀価格の高騰に伴い、銀のリサイクル率が高まれば、需要不足が緩和する可能性があるのです。さらに、太陽電池分野などで銀の使用量削減が進めば、需要の伸びが鈍化し、長期的な価格上昇を抑える要因となります。

これまでの価格推移と今後の予想まとめ

銀価格はこれまで、投機的な動きや世界的な経済・政治情勢の変化によって大きく上下してきました。とくに、国際的な不安定要因や金融緩和政策は価格を押し上げる要因となり、逆に取引の規制強化や需要減少は下落のきっかけとなっています。

以下のグラフと表は、過去40年以上にわたる銀価格(ドル建価格)のおもな変動と、その背景となった出来事をまとめたものです。


※出典:田中貴金属「銀価格推移 年次価格推移」

年代・時期価格動向主な出来事・要因
1980年史上最高値(約50ドル/oz)ハント兄弟による大量買い占めで急騰。その後、取引規制により急落
2011年急騰(約49ドル/oz)リーマン・ショック後の量的緩和でインフレ懸念が高まり、価格が急上昇
2020年急落後に急反発新型コロナショックで一時下落後、大規模金融緩和で約3倍に反発
2024年~2025年高値更新(約39ドル/oz)米中摩擦やウクライナ情勢などで安全資産需要が拡大し、14年ぶりの高値水準に

過去の事例から、銀価格は政治・経済リスクや国際情勢、産業需要の変化など、複数の要因が複雑に絡み合って変動してきたことが分かります。

今後も同様の条件が重なれば高値圏が続く可能性はありますが、供給量の増加や技術革新による需要抑制が起これば、価格の調整局面に入ることも考えられます。そのため、最新の市場情報や国際情勢を注視しながら判断しましょう。


なぜ今値上がりしている?高騰の理由3つを解説

銀価格の高騰には、複数の要因が影響しています。おもな理由は以下のとおりです。

・産業需要の拡大
・資産を守るための投資需要の高まり
・需要増に対する供給減

これらの要因を詳しく解説していきます。

【理由1】産業需要の拡大

現在、銀需要全体の約60%を産業用途が占めており、10年前の約50%から割合が大きくなっています。

銀はもっとも高い電気伝導率を持つ金属のひとつで、太陽電池の集電材料として欠かせません。そのため、とりわけ再生可能エネルギー分野では、太陽光パネル向け需要が過去最高水準に達し、過去10年間で使用量は約4倍に増加しました。

また、自動車のEV化に伴い、自動車業界での年間消費量は1866トンを超えています。さらに、高速通信を支える5G機器や半導体、抗菌性を生かした医療用カテーテルなど、さまざまな分野で活用されています。

銀は多くの用途で代替が難しく、削減も限られているため、産業需要の増加は今後も続く可能性が高いと考えられます。

【理由2】資産を守るための投資需要の高まり

世界的なインフレの影響で、資産価値を維持するために金や銀などの安全資産への投資需要が拡大しています。経済への不安が高まる局面では、金と同様に銀も安全資産として買われやすい傾向があるのです。

中でも銀は「貧者の黄金」と呼ばれるほど金より安価で手に届きやすく、安全資産として資金を集めやすい特徴があります。

また、金価格と銀価格は連動しやすく、金銀の価格比(金価格÷銀価格)は投資判断の指標のひとつです。価格比が高いほど、銀が金に比べて割安であることを意味します。

歴史的に金銀の価格比は40〜60倍程度で推移してきましたが、現在は約90倍に達しており、割安感から銀への投資資金流入が進んでいます。金価格が歴史的高値圏にある中、インフレ対策として銀を保有する動きも広がっているのです。

【理由3】需要増に対する供給減

銀の需要拡大に対し、供給は慢性的に不足しています。2019年以降は毎年需要が供給を上回っており、『World Silver Survey 2025』によると、2025年の不足量は約5,800トンです。

とくに太陽光発電向け需要の急増は、供給不足を一段と深刻化させています。加えて、安全資産としての投資需要の高まりも需給逼迫を助長しています。

銀の鉱石生産は多くがほかの金属採掘の副産物であり、新規鉱山の開発には長い期間を要するため、短期的な増産は困難です。その結果、需給バランスの逼迫が続き、銀価格は2025年前半に前年同期比で約20%上昇し、過去最高水準に到達しました。


銀の価値は何で決まる?将来性を左右する要因

銀の価格は、基本的には需要と供給のバランスによって形成されます。その背景には、世界経済の動向や産業分野での需要、インフレ率、地政学リスクなどさまざまな要因があるのです。ここでは、銀の価値を左右する3つの要因を解説します。

産業需要が継続する

2011年、中国をはじめとする新興国の急成長により銀需要が拡大し、銀価格は1トロイオンス50ドル近い史上最高値を記録しました。当時は中国での投資需要が急増し、2010年の銀輸入量は記録的水準に達しています。

その後、供給増加や投機熱の沈静化により価格は大きく下落しましたが、銀は電子機器、太陽光発電、医療など幅広い産業で利用されており、需要が急減する可能性は低いと考えられます。

実際、近年も産業用途の需要は底堅く推移し、2022年には世界の銀需要が過去最高を更新しました。この結果、銀市場は数年連続で供給不足に陥っており、太陽光パネル向けなど成長分野が需要を牽引しています。

さらに、電気自動車や5G通信網の拡大など技術革新が進む中、各分野での銀使用量は増加しており、こうした動きが長期的な需要を下支えしています。

世界的な物価上昇

コロナ禍以降、世界的にインフレ率が上昇し、2022年には数十年ぶりの高水準に達しました。インフレが続く局面では、通貨価値の下落に対して価値を維持しやすい銀などの実物資産が買われ、価格が上昇する傾向があります。

たとえば、2021年には世界的なインフレ率が7%に達し、銀価格は2020年の安値(約12ドル)から翌年5月までに7割以上急騰しました。実際、2023年以降は価格上昇が続いています。

2025年には39ドルを超え、2011年以来の高値を記録しました。ただし、インフレ期であってもかならずしも上昇するとは限りません。

各国が利上げに踏み切りドル高が進んだ2022年後半には、高インフレと安全資産需要がある中でも銀価格が下落する局面が見られました。

地政学リスクの勃発と継続

国際紛争や政治的緊張が高まる局面では、安全資産需要が強まり、銀価格が押し上げられる傾向があります。歴史的にも、戦争や金融危機の際には資金が貴金属に流入し、銀や金が高騰する事例が見られます。

2022年にロシアのウクライナ侵攻が始まると投資家の安全資産志向が強まり、それまで低迷していた銀価格は下落基調を反転しました。

戦争開始後の数か月間で約17%上昇しました。その後も地政学リスクが続く中、安全資産需要が銀相場を下支えし、2021年以降は上昇基調を維持しています。

ただし、地政学リスクが緩和するか、ほかの要因が相場に強く作用した場合には、安全資産需要が後退し、銀価格が下落する可能性もあるので、注意してください。


今は銀を売るべき?買うべき?判断ポイント

現在の銀価格は高値圏にあり、売却の好機か、それとも買い増しのチャンスか判断に迷う人も少なくありません。適切な判断には、短期的な相場動向と長期的な市場見通しの双方を踏まえることが重要です。ここでは、その判断材料となるおもなポイントを解説します。

短期目線での売買ポイント

2025年現在、銀価格は2011年以来の高値圏にあり、年初来で約36%上昇し、過去15年間で2番目に高い水準に達しています。2011年には、1トロイオンス当たり約49ドルの史上最高値を記録しました。

これまでに銀製品を保有してきた人や投資目的で購入してきた人にとっては、現状は売却を検討しやすい局面です。太陽光発電やEV車向けを中心とした工業需要は引き続き堅調で、大幅に減少する可能性は低いとみられます。

加えて、世界の銀市場は5年連続で需要が供給を上回る不足状態が続き、価格を下支えしています。

ただし、一部の専門家は短期的に1オンス35ドル前後まで下落する可能性を指摘しており、急な価格変動への備えとして、高値圏にあるうちに売却を検討する判断も有効です。

長期目線での売買ポイント

銀は今後も技術革新やグリーン分野での需要拡大によって、需要が高まると見られています。太陽光発電や電気自動車などでの使用量は増加が予想され、世界市場では構造的な供給不足が続く見通しです。

2025年には、銀の工業用途需要がはじめて年間7億トロイオンスを突破する見込みであり、この傾向は長期的にも継続する可能性があります。世界的なインフレ率が急速に改善する可能性は低く、資産保全のために貴金属を保有する意義は依然として大きい状況です。

金と同様に銀もインフレヘッジとして注目され、長期保有は購買力維持につながります。

また、不確実性の高い環境下では分散投資の重要性が増します。銀をポートフォリオ(保有資産の組み合わせ)の一部として長期的に組み入れることは、リスク分散と資産防衛の両面で有効です。長期保有によって安定性と成長性の双方を期待できることも、銀投資の魅力です。


家にある銀製品を高く売る5つのコツ

自宅に眠る銀食器やアクセサリーは、使わずに放置しておくと価値を活かせません。少しの工夫を加えるだけで、銀製品でも高価買取につながる可能性があります。ここでは、家にある銀製品をより高く売るためのポイントを詳しく解説します。

定期的なメンテナンスを実施する

銀製品は空気中の硫黄や汗などに反応しやすく、表面が黒く変色します。この黒ずみは錆ではなく、銀と硫黄が結合して生じる「硫化銀」という膜で、適切な手入れを行えば除去可能です。

ただし、黒ずんだ状態は見た目の印象を損ない、査定額が下がる原因となります。時間がたつほど変色は進行するため、日常的にケアを行い、定期的に銀を磨いて汚れや酸化被膜を防ぎましょう。

アクセサリー類は使用後に柔らかい布で汗や皮脂を拭き取り、密閉できる袋やケースで保管して空気との接触を抑えると黒ずみ予防に効果的です。

もし黒ずみが発生しても、市販の銀用洗浄液を使えば、硫化による変色を化学的に除去し、本来の輝きを取り戻せます。

シルバーアイテムをまとめて査定に出す

シルバー製品の買取参考価格は、ブランド品を除けば基本的に重量で決まります。2025年9月1日現在、Sv925の買取相場は1グラムあたり170円前後です。

単品で売るよりも複数まとめて売却したほうが総重量が増え、買取額も大きくなります。たとえば、5グラム程度の小さなシルバーリング1点では数百円でも、50グラムまとめれば数千円以上になる可能性があるのです。

わずかな重量でも数を集めれば無視できない額となり、査定額アップにつながります。また、貴金属相場は日々変動するため、複数の銀製品は一度に売却したほうが売り時を逃しにくいでしょう。

さらに、買取店によっては複数点をまとめ売りすると査定額にボーナスを上乗せするキャンペーンを実施している場合もあるので、機会があれば積極的に活用してください。

付属品をまとめておく

銀製品を査定に出す際は、可能な限り付属品を揃えて持ち込みましょう。購入時の箱や保存袋、保証書・鑑定書などが揃っていれば、査定評価が上がる傾向があります。

とくにブランド物のシルバーアクセサリーでは、箱やギャランティーカードの有無が買取価格に大きく影響します。

付属品が完備されている品は再販しやすく、業者側にとって在庫リスクが低いため、査定額が上乗せされやすいです。反対に、欠品があると減額対象になる場合もあるため、売却前には付属品をかならず確認しましょう。

また、付属品が揃っていることで大切に保管されていた印象を与え、プラス査定につながることもあります。

ただし、付属品自体に汚れや傷みが目立つ場合は評価が上がらないこともあるため、査定前に軽く清掃しておくと効果的です。人気ブランドでは、付属品の有無で数万円の差がつくケースもあります。

銀の買取に強い査定士を選ぶ

銀製品を高く売るには、買取査定士の経験や専門性も重要です。貴金属の買取に精通したプロがいる店舗を選ぶことで、銀の価値を正確に見極めてもらいやすくなります。

経験豊富な査定士は、最新の銀相場や市場ニーズにも詳しく、高値で買い取ってくれる可能性が高いです。

いっぽう、銀の知識が乏しい買取業者や買取査定士だと、銀の評価が低く見積もられたり、重さだけで値段をつけられたりする場合もあります。銀の刻印がないアイテムでも、専門店なら専用の機器やノウハウで純度を判定し、正しい価値をしっかり提示できます。

過去の買取実績が豊富な業者や銀の取り扱いに長けた査定士を選ぶことで、安心して高価買取を目指せるでしょう。

逆に、重量計算のみで手数料を差し引くような業者は高価買取は期待しにくいため避けたほうが無難です。

複数の買取業者から見積もりを取る

銀製品を売却する際は、複数の買取業者に査定を依頼することが重要です。店舗ごとに査定額は大きく異なる可能性があり、より高値を提示する業者を選べます。

また、同じシルバーアクセサリーでも、各店舗の得意分野や在庫状況によって評価額に差が出る場合があります。たとえば、同じ品物でもA店は1万円、B店は1万5千円と、大きな価格差が生じることも珍しくありません。

複数社から見積もりを取れば、思わぬ高値で買い取ってくれる業者を見逃さずに済みます。一般的には2〜3社の査定結果を比較し、条件がもっともよい業者で売却するのが理想です。

「ブラリバ」では、銀をはじめとした貴金属買取に特化したスタッフが在籍。丁寧にお品物の価値を見極め、適切な金額を提示しています。

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銀価格は将来的に上昇する可能性がある

銀価格は、需給バランスや産業需要、インフレ、地政学リスクなど複数の要因が絡み合って変動します。2025年現在は高値圏にあり、短期的には売却のタイミングですが、長期的には需要の継続やインフレヘッジの観点から保有・買い増しも有効です。

また、銀価格が高くなっている今、お手持ちのシルバーアイテムの価値を確認し、資産の見直しを検討されてみてもよいかもしれません。信頼できるスタッフが丁寧に対応する「ブラリバ」にぜひお気軽にご相談ください。

ブラリバの銀(シルバー)買取実績を見たい人はこちらのページをご覧ください!
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参考文献
CarbonCredits.com「2025年、銀価格が14年ぶりの高値に急騰:この持続可能な金属ブームの背景とは?」/Investing.com「UBSが2025年の銀価格見通しを更新」/Reuters「HSBC、金の強さと地政学的リスクを理由に銀価格見通しを引き上げ」/MINING VISUALS「銀価格の変遷:100年間の変動」/三菱UFJ信託銀行「シルバーも需給で上昇の可能性大」/WORLD BANK BLOGS「不確実性の中で輝く金」/シルバー協会「産業における銀」「シルバーの戦略的優位性:グローバル市場における地殻変動を乗り切る」「2024年の銀の工業用需要は過去最高の6億8050万オンスに達する」「世界の銀市場は2025年も大幅な供給不足に陥ると予測」『World Silver Survey 2025』

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