【2025年12月更新】プラチナ価格はこれからどうなる?高騰理由と今後の見通しを解説

プラチナ今後の価格予想!急騰理由&推移状況を深堀り

プラチナ価格は2025年に入り、大きな転換期を迎えています。直近では1gあたり1万円を超える水準まで上昇し、「このまま上がり続けるのか」「そろそろ下落に転じるのか」と今後の動きが気になっている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、現在プラチナ価格が高騰している理由を整理したうえで、今後の相場はどう動くのか、そして「売り時・買い時」はいつなのかを、最新データと過去の推移をもとにわかりやすく解説。プラチナ価格の“これから”について深堀りしました。弊社AIアシスタントによる2026年~2030年の価格予想もぜひ参考にしてください。

本記事に記載している将来の価格見通しや市場動向は、複数の業界レポートや公開情報をもとに作成した参考情報であり、その内容の正確性、完全性、将来の価格変動や投資成果について保証するものではありません。本記事の内容を利用したことにより生じたいかなる損失や損害についても、当社は一切の責任を負いません。最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。

【最新】プラチナ価格はこれから上がる?高騰の理由を解説

結論から言うと、プラチナ価格はこれからも「短期的に急落する可能性は低く、高値圏で推移する可能性が高い」と考えられます。

供給不足が続いていることに加え、需要面でも大きな崩れが見られないためです。

直近の価格動向と、その背景を詳しく見ていきましょう。

2025年12月現在のプラチナ価格

※グラフは2025年11月までの確定情報。12月のデータは2026年1月上旬の更新を予定しております
※価格は1グラムあたりの「田中貴金属」店頭小売価格(税込)
※出典:「田中貴金属」公式サイト

2025年12月26日時点のプラチナ価格は、1グラムあたり12,876円 (税込・田中貴金属店頭小売価格)なっています。

2025年10月以降のプラチナ相場は、8,200円〜9,100円台を中心に推移しており、8,000円台後半を軸とした底堅い値動きが続いていました。
とくに11月は8,600円〜8,900円台と高値圏での推移が目立ち、下値を切り上げながら安定感のある相場形成が確認できる局面となっています。

12月に入ると相場は一段と強含み、月初には9,300円台へ到達。その後、国際相場の上昇や為替要因を背景に、国内小売価格が急伸する展開となり、12月下旬には12,000円台に乗せる水準まで上昇しました。年末にかけても強い需給環境が意識されており、高値圏を維持したまま推移しています。

こうした相場の動きを受け、プラチナの買取価格も上昇しています。

2025年12月26日現在のプラチナ買取価格は、以下のとおりです。

2025年12月26日時点の
プラチナ1gあたりの買取相場価格

買取相場価格:12,657円
※出典:ブラリバ
「金・貴金属 今日の1gあたりの買取相場価格」

プラチナ価格高騰の理由

プラチナ価格が高騰している理由を分析すると、主に以下の4点に整理できます。

  • 供給不足の深刻化
  • 南アフリカの生産障害
  • 中国の需要急拡大
  • 米国関税政策の影響

プラチナは、世界的な供給不足が深刻化しています。世界プラチナ投資評議会(WPIC)によると、2025年のプラチナ供給は需要に対して年間30トン不足する見通しです。これは年間需要の約12%に相当し、3年連続の不足になります。

また、主要産出国である南アフリカでは2025年初頭に洪水が発生し、鉱山の稼働に支障が出たことで生産量が前年より13%減少しました。

いっぽうで、中国を中心とした需要の拡大も目立ちます。2025年第1四半期には、中国でのプラチナ宝飾品の需要が前年比で15%増加。さらに、個人投資家によるインゴット(地金)投資も盛り上がりを見せ、4月の輸入量は12月ぶりに11トンを超えました。

こうした「供給の減少と需要の増加」が組み合わさり、プラチナ価格は大きく押し上げられているのです。

出典:WPIC Platinum Quarterly Q1 2025

プラチナ価格に関する懸念

ただし、すべてが順風満帆というわけではありません。以下のような懸念点も考慮しておく必要があります

  • 米国の貿易政策変更
  • 世界経済の減速
  • 地政学リスク
  • 投機的な動き

特に米国の貿易政策変更により、プラチナのインゴットに関税がかかるとの懸念があり、市場では混乱が広がっています。

また、景気が悪化すれば、工業用途での需要が減る可能性も否めません。産出国や物流ルートの紛争や災害により、供給に打撃を受ける恐れもあります。さらに、価格が短期的に上がりすぎると、反動で急落する確率も高くなるでしょう。

2025年第1四半期にはリースレート(貸し借りにかかる金利)が1%から13%に急上昇したというデータもあり、価格の変動性が高まっている点は注意が必要です。

【まとめ】2026年1月は「高値圏を維持しつつ様子見の局面」

ここまでの状況を見ると、2026年1月にかけてのプラチナ価格は、12月に急上昇した反動で、一時的に動きが落ち着く可能性があります

とはいえ、供給不足が続いていることや需要が底堅いことを考えると、価格が大きく下がる可能性は低いと考えられます。

短期的には横ばいに近い動きとなるいっぽうで、中期的には再び上昇を意識しやすい相場が続く見通しです。そのため、1月は大きな方向転換を判断する局面というよりも、今後の動きを慎重に見極める時期と言えるでしょう。

なお価格の見通しは、さまざまな要因によって変化します。あくまで参考情報としてご覧いただき、売買の判断はご自身の状況に合わせて行ってください。


プラチナの相場は何で決まる?

現在は急上昇しているプラチナですが、価格変動が大きい分注意深く見ていく必要があります。ここでは、プラチナ相場を予測するうえで知っておきたい基本的な3つの要素を改めて解説します。

①世界の供給状況

まず最も大きな影響を与えるのが「供給量」です。プラチナは世界の限られた地域でしか産出されず、とくに南アフリカが全体の約7割を占めるとされています。

前述の通り、2025年には南アフリカの洪水によって鉱山の稼働が制限され、生産量が大幅に減少。これが価格高騰の大きな要因となっています。加えて、地上在庫も減り続けており、2029年にはひっ迫する可能性も指摘されています。

供給が不安定になると、それだけで価格は上がりやすくなります。

②世界の需要動向

2つ目のポイントは「需要の動き」です。プラチナは主に以下の3つの用途で使われています。

  • 自動車の排ガス浄化装置(触媒)
  • 宝飾品(ジュエリー)
  • 投資・金融商品としての購入

2025年は特に中国での宝飾品需要や個人投資が急拡大。水素エネルギーの普及に伴い、燃料電池関連の新たな需要も注目されています。こうした需要の高まりは、価格を押し上げる大きな原動力になります。

③国際的な経済・金融政策

3つ目は「マクロ経済や政策の影響」です。

2025年にはアメリカでプラチナ投資製品への関税強化の懸念が浮上し、NY市場での取引コストが上昇。それを受けて短期的な需給のひっ迫や投機資金の流入が起こり、価格が大きく動きました。

さらに、ドル安や金利の動きもプラチナ価格に影響を与えます。一般にドルが安くなると、ドル建てで取引されるプラチナは相対的に買われやすくなり、価格が上がる傾向にあります。


プラチナの相場推移振り返り!20年前とどう変わった?

価格の将来的な変動を理解するには、20年前、10年前と、過去の市場動向や世界経済の動きを分析することも重要です。この章では2001年から2024年までのプラチナ相場を改めて振り返ります。

 



※本章で掲載している価格は、田中貴金属の店頭小売価格(税込)に基づいています。
※価格は1グラムあたりの「田中貴金属」店頭小売価格(税込)
※出典:「田中貴金属」公式サイト

【2001年~2010年】プラチナ相場がピークに

2001年〜2010年は、プラチナ相場が大きく変動した期間です。2008年にはプラチナ価格がピークに達し、1gあたり7,968円という高値を記録しましたが、翌年には大幅に下落するなど、世界経済が大きくプラチナ相場に影響しました。

この期間にプラチナ市場に影響を与えた重要な出来事を見ていきましょう。

2001年:ITバブル崩壊

1990年代前半のバブル崩壊から、1990年代後半のアジア通貨危機を経て、2000年ごろからITバブル崩壊が始まります。これは実態を伴わないインターネット関連企業や株式への過剰投資が原因で、日本経済は「第三次平成不況」と呼ばれるほどの打撃を受けました。

プラチナは株式市場の影響を受けやすく、ITバブル崩壊はプラチナ相場にも大きな打撃を与え、相場が低迷しました。

2003年~2006年:アメリカ、中国の住宅バブル

2003年から2006年にかけ、アメリカと中国で住宅や不動産のバブルが発生して世界経済に大きな影響を与えました。バブルによる好景気がプラチナ相場を後押しし、徐々にプラチナ相場が値上がりした期間です。

2004年~2008年:世界的なオイルバブル

2004年頃から、原油やその他の資源に関する世界的なバブルが発生しました。さらに、以前から続いていたアメリカと中国の住宅バブルも追い風となりプラチナ価格が急騰。2008年には最高値となる7,968円(税込・田中貴金属店頭小売価格)に達しました。

2007年~2010年:世界金融危機

2007年9月から顕在化したサブプライム住宅ローン危機を発端としたリーマン・ショックと、それに連なる一連の国際的な金融危機により「世界金融危機」が発生しました。世界的な経済衰退を迎えたことで、高騰していたプラチナ価格は一気に下落します。

【2011年~2022年】低迷したプラチナ相場は徐々に回復傾向へ

2007年のリーマンショックで落ち込んだプラチナ相場は、2013年頃に1gあたり5,000円台まで回復しました。しかし、ディーゼル車の需要減や新型コロナウイルスの影響で再び相場は下落しました。

2013年:産業用プラチナの需要が高まる

プラチナの需要は主に宝飾用、自動車用、産業用の3つがありますが、2013年は産業用プラチナの需要が大幅に高まった年でした。宝飾用や自動車用の需要は低迷したものの、化学業界や半導体業界などでプラチナの需要が高まったことで、プラチナ相場をアップさせました。

2015年:ディーゼル車需要の減少

2015年に、フォルクスワーゲンによる排ガス試験不正問題が発覚しました。これにより欧州を中心に消費者のディーゼル車離れが起こり、自動車用のプラチナ需要が大きく下がりました。

2020年:コロナ禍による経済不安

2020年頃から新型コロナウイルスが流行したことで、世界経済が全体的に低迷しました。プラチナ相場もその影響を受け、過去10年間で最低価格となる1gあたり2553円(2020年3月)を記録しました。

【2023年~2025年】回復基調から急騰への転換期

2023年から2024年にかけてのプラチナ市場は、コロナ禍からの回復と新たな需要の高まりにより、大きな転換期を迎えました。

2023年はプラチナ価格が安定的に回復し、2024年には本格的な上昇トレンドに入りました。田中貴金属の店頭小売価格(1gあたり)で見ると、2023年の安値は4,400円台、2024年の高値は6,000円台前後まで上昇しており、投資家の注目を集める展開となりました。

2023年:自動車生産の回復とパラジウム代替需要

2023年は世界的に自動車生産が回復し、プラチナ需要を押し上げました。特に注目されたのは、高騰したパラジウムの代替としてガソリン車の触媒にプラチナが使われ始めたことです。パラジウム価格がプラチナを大きく上回る状況が続いたため、自動車メーカーはコスト削減のためプラチナへの切り替えを進めました。

2025:中国市場の回復の兆し&投資需要の急増

2024年前半には、中国のプラチナ宝飾品市場に回復の兆しが見え始めました。長年低迷していた中国の宝飾品需要が、ゴールド価格の高騰を背景に徐々にプラチナへとシフトし始めたのです。プラチナ価格は1月の4,000円台から着実に上昇を続けました。

2024年後半には、プラチナETFへの資金流入が加速しました。日本の「プラチナの果実」では純資産残高が大幅に増加し、投資家数も急増しました。12月後半には価格が5,300円台に達し、2025年の更なる上昇への期待が高まりました。


AIが予測!プラチナ価格2026年~2030年はどうなる?

それでは、今後のプラチナ価格はどうなるのか?投資を考える皆さんが、最も気にしているポイントだと思います。これまでの動向を踏まえたうえで、弊社のアシスタントAIに予測を立ててもらいました。

“世界プラチナ投資協議会(WPIC)の見通しでは、2028年ごろまで世界的な供給不足が続く可能性が示されています。特に南アフリカの生産量は回復しておらず、地上在庫も減少傾向にあります。いっぽうで、中国では金の価格が高くなったことを受けて、代わりにプラチナ製の宝飾品が人気を集めています。こうした流れは、今後も続く可能性が高いでしょう。

また、環境対策の一環として注目されている「水素エネルギー」でも、プラチナは重要な素材です。日本を含む多くの国が、水素を使った燃料電池車の普及を目指しており、それに伴って新たな需要が生まれています。
こうした状況を踏まえると、2026年〜2030年にかけてのプラチナ価格は、すでに1グラムあたり1万円を超えている現在の水準を前提に、高値圏で推移する可能性があると考えられます。

世界プラチナ投資協議会(WPIC)が指摘する供給不足が続くなか、中国を中心とした宝飾品需要や、水素エネルギー関連分野での需要拡大が進めば、1万2,000円超の水準を維持しながら、さらに高い価格帯(1万3,000円〜1万5,000円程度)を意識する局面が出てくる可能性もあります。

いっぽうで、電気自動車(EV)の普及動向や世界経済の減速、為替や地政学リスクの影響によっては、価格が一時的に調整する場面も想定されます。そのため、中長期的には高値圏での推移が見込まれるものの、今後の需給環境や外部要因の変化には引き続き注目していく必要があるでしょう。”

※この予測は、過去5年の価格推移、世界プラチナ投資評議会(WPIC)の需給統計、中国・米国の需要動向など複数の公開データをもとに、AIが機械学習により算出した参考値です。ここで予測されていない外部要因によって、価格が下落に転じるリスクも十分にあるため、投資判断は慎重に行う必要があります。


プラチナは今が売り時?買い時?判断のポイント

プラチナ価格が急騰している今、「売るべきか、買うべきか」迷っている方も多いでしょう。ここでは、現在の市場状況を踏まえた判断材料をご紹介します。

売り時と判断できる場合

短期的な利益確保を重視する場合は売り時と言えるでしょう。過去1年で30%以上の値上がりを記録しており、2024年初頭から保有している方は相当な含み益が発生している可能性があります。

また、価格変動リスクを避けたい場合も売却を検討する時期です。プラチナは金よりも価格変動が大きく、前述もしたように急騰の反動で急落するリスクも高まっています。リスクを避けて安定した資産運用を望む場合は、高値の今売却してしまうのも賢い選択かもしれません。

>>【毎日更新】今が売り時?プラチナ1gあたりの買取相場価格

買い時と判断できる場合

いっぽうで、中長期的な成長を期待する場合は買い時と考えられます。水素エネルギー社会の実現により燃料電池車での需要拡大が見込まれ、供給不足の構造的問題は短期間では解決しないため、価格の底上げ要因となる可能性があります。

インフレ対策を重視する場合も投資を検討する価値があります。貴金属はインフレのリスクヘッジとしての機能があり、現金や債券の実質価値目減りを懸念する場合、プラチナへの分散投資は有効です。

迷った場合の対処法

判断に迷った場合は、部分的な利益確定がおすすめです。保有分の一部を売却し利益を確保しながら、残りは保有継続する段階的なアプローチを取りましょう。

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プラチナ相場のチェックと見極めが大切

現在のプラチナ価格高騰は、供給構造の変化と需要トレンドの転換によるものです。売り時・買い時は、個人の投資目的やリスク許容度によって大きく異なります

重要なのは、市場動向を定期的にチェックしながら、自分の投資スタイルに合わせて柔軟に判断することです。プラチナ市場は今後も大きく動く可能性が高いため、情報収集を怠らず、慎重な投資判断を心がけましょう!

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