プラチナとは?特徴や込められた意味、結婚指輪に選ばれる理由を解説

プラチナは、美しい輝きと高い希少性から多くの人々に愛されてきた金属です。その特性はジュエリーだけでなく、自動車や医療、さらには宇宙開発など幅広い分野で活用されています。

しかし、金やシルバーとどう違うのか、純度や性質によって価値がどう変わるのかなど、詳しく知っている方は意外と少ないかもしれません。あらためてプラチナの基本を知ることで、その価値をより実感できるでしょう。

そこで本記事では、プラチナの基礎知識から、ほかの金属との違いや実際の用途、結婚指輪に選ばれる理由までを徹底解説します。


プラチナとはどんな金属?

プラチナは、プラチナは金や銀に比べて採掘量が少なく、希少価値が高い貴金属のひとつです。その名前はスペイン語の「小さな銀(platina)」に由来し、銀白色の美しい輝きが特徴です。まずはプラチナの性質や産地など、基本事項について詳しく見ていきましょう。

プラチナは変色や変質しにくい性質がある

プラチナは、その独自の性質から、ジュエリーや工業製品に広く利用される貴金属です。

化学的に非常に安定しており、酸やアルカリに対しても耐食性が高いため、変色や腐食の心配がほとんどありません。また、融点が1,769度と高く熱にも強いことが特徴です。

さらに、プラチナは柔らかく粘り強い金属で、加工しやすく耐久性にも優れています。この性質により、細やかなデザインが求められるジュエリーに最適とされています。また、アレルギー反応を引き起こしにくい低刺激性も大きな特徴と言えるでしょう。

プラチナの純度はPt999やPt950などで表される

プラチナの純度は「Pt999」や「Pt950」といったPtと数字表記で示されます。これはプラチナの含有率を千分率で表したもので、たとえばPt999は99.9%、Pt950は95%の純プラチナを含むことを意味します。

一般的に、ジュエリーにはPt950やPt900が使用され、これらは高い純度と適度な硬度を兼ね備えています。ちなみに国際基準では、純度が95%以上のもののみを「プラチナ」と呼ぶことが認められています。

選ぶ際には、使用目的やデザインに応じて適した純度を選ぶことが重要です。より詳細な内容は「プラチナの純度に関する記事」で解説していますので、あわせてご覧ください!

プラチナは南アフリカやロシアが主要産地

プラチナの主要産地について、一般社団法人 日本金地金流通協会の最新のデータによると、2023年時点では上位から南アフリカ、ロシア、北米、ジンバブエの順となっています。また、世界のプラチナ生産量は約180.1トンで、そのうち南アフリカが124.4トンと圧倒的なシェアを占めていることが分かります。

各社の市場調査レポートによる今後の見通しでは、2030年に向けて世界のプラチナ生産量が増加し、約205トンに達すると予想されています。南アフリカは引き続き最大の供給国であり、2030年には生産量が約140トンにまで上がるのではないかと言われています。

出典:PLATINUM最新データ | 一般社団法人 日本金地金流通協会

プラチナの産出量は金の約20分の1

プラチナは非常に希少な貴金属であり、その生産量は金と比較しても極めて限られています。各社のレポートによると、2023年時点の世界のプラチナ鉱山産出量は約175トン、金の鉱山産出量は約3,000トンと記録されています

さらに、プラチナは単体で採掘されることは珍しく、ほかの貴金属や金属の副産物として産出されることが多いという特徴があります。この生産の複雑さも、プラチナの希少性を高める要因となっています。

WPIC(ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル)USGSの各種レポートより


プラチナはほかの金属とどう違う?

希少性が高く幅広い分野で使用されるプラチナは、ほかの金属とどんな違いがあるのでしょうか。金やホワイトゴールド、シルバーと比較してみましょう。

金との違い

プラチナと金は、どちらも貴金属として高い価値を持ちますが、性質や用途にいくつかの違いがあります。

1.色合い
金はその名の通り黄色みがかった色が特徴ですが、プラチナは自然な銀白色を持っています。このため、プラチナは純白の輝きを好むジュエリー愛好者に人気です。

2.耐久性と重さ
プラチナは金よりも硬く、重い金属です。そのため傷がつきにくく、日常使いのアクセサリーとしても非常に適しています。

3.価値の高さ
2025年現在、金はプラチナよりも高い価格で取引されており、2024年10月時点に金価格はプラチナの約2倍以上を記録しています。

価値について、プラチナは金よりも希少性が高いにもかかわらず、2015年1月を境に価格が逆転しています。逆転のおもな要因は、とくに自動車産業などプラチナの工業需要の減少と、金の安全資産としての需要増加です。2020年にはプラチナ価格が金の半値まで下落しましたが、プラチナの相対的な割安感から、今後の価格上昇を期待する声もあります。

プラチナを投資として検討していて、価格相場について興味がある方は「プラチナ価格相場の記事」もチェックしておきましょう。

    ホワイトゴールドとの違い

    ホワイトゴールドは、金にほかの金属(パラジウムやニッケルなど)を混ぜて作られる合金です。プラチナとは以下の点で異なります。

    1.色合い
    プラチナはそのままの純白色が特徴です。いっぽうで、ホワイトゴールドは基本的に金が主成分であり、表面にロジウムコーティングを施して白い輝きを持たせています。

    2.耐久性
    プラチナはホワイトゴールドよりも耐久性が高く、傷つきにくいです。対して、ホワイトゴールドは使用中にコーティングが剥がれることがあり、メンテナンスが必要です。

    3.価格
    ホワイトゴールドは、プラチナに比べてお手頃な価格で購入できるため、比較的カジュアルなジュエリーに使用されることが多いです。

    ホワイトゴールドはプラチナと似たような輝きを楽しめますが、メッキやコーティングがされていたり、割金にパラジウムや銀を多く使っていることから、金属アレルギーになりやすいのが注意点です。

    シルバーとの違い

    シルバーはプラチナに比べて価格が安く、カジュアルなアクセサリーに多用されますが、以下の点で違いがあります。

    1.変色のしやすさ
    プラチナは化学的に安定しているため変色しにくいですが、シルバーは空気中の硫化水素と反応し、黒ずむことがあります。

    2.硬度と耐久性
    金やホワイトゴールドと同様に、プラチナはシルバーよりも耐久性があります。

    3.重さ
    プラチナとシルバーは重さに大きな違いがあります。たとえば、Pt999のプラチナは比重が約21.4gで、シルバーは約10.5gです。同じ大きさならプラチナの方が約2倍ほど重く感じます。

    これらの特性から、プラチナは高級ジュエリーや特別な記念品に好まれるいっぽう、シルバーは日常的なアクセサリーとして幅広く愛用されています。


    プラチナはどんな分野で使用されている?

    プラチナは、その優れた特性からさまざまな産業分野で重要な役割を果たしています。自動車産業から医療まで、その用途は多岐にわたります。プラチナが活躍する主要な分野について詳しく見ていきましょう。

    自動車産業

    プラチナは耐久性が高く、品質も優れているため、自動車産業では排ガス浄化装置の触媒として使用されています。とくに、厳しくなる排ガス規制に対応するため、プラチナの需要は今後も拡大していくでしょう。

    また、プラチナは電気自動車のバッテリー技術にも応用が期待されており、自動車産業におけるプラチナの重要性は今後も続いていくことが予想されます。

    燃料電池

    燃料電池技術において、プラチナは不可欠な存在です。水素と酸素の電気化学反応を促進する触媒として機能し、その効率はほかの金属を圧倒しています。

    固体酸化物形燃料電池(SOFC)やリン酸形燃料電池(PAFC)など、さまざまなタイプの燃料電池でプラチナが活用されています。プラチナの化学的安定性と高い触媒活性は、燃料電池の性能向上と長寿命化に大きく貢献しており、クリーンエネルギー技術の発展に重要な役割を果たしていると言えます。

    医療器具

    医療分野では、X線を用いるカテーテル治療において、プラチナ合金が必要不可欠な材料となっています。プラチナはX線を通しにくい性質があるため、カテーテル内に配置することで、医師は放射線透視下で正確な位置を把握できます。これにより、高度な治療を安全かつ正確に行うことができるのです。

    また、プラチナは化学的に安定しているため、体内でほかの物質と反応しにくく、安全性が高いです。ペースメーカーや各種インプラント、さらには抗がん剤の開発にもプラチナが利用されており、医療技術の進歩に大きく貢献しています。

    ブライダル

    プラチナは、その美しさと耐久性からブライダルジュエリーにも使用されており、非常に人気があります。おもにPt950など純度の高いプラチナが使用され、その白い輝きは「永遠の愛の象徴」として世界中のカップルに愛されています。

    プラチナは、アレルギー反応を起こしにくく、長期間使用しても変色や劣化が少ないため、結婚指輪や婚約指輪として最適な素材とされています。また、プラチナはダイヤモンドの輝きを引き立てる効果があるのも選ばれるポイントです。


    結婚指輪や婚約指輪としてプラチナが人気な3つの理由

    プラチナの結婚指輪や婚約指輪は、美しい煌めきや優れた特性以外にも人気の理由があります。考えられる3つの理由について解説します。

    日本人の肌色になじみやすい

    プラチナの白銀色の輝きは、日本人の肌色と非常に相性が良いとされています。とくに、ピンクがかった肌や青みがかった白い肌との調和が優れています。

    この特性により、プラチナの結婚指輪は手や指をより美しく見せる効果があります。また、派手すぎない控えめな輝きであるため、日常生活のあらゆるシーンで違和感なく着用できる点も魅力のひとつです。

    プラチナに込められた意味から選ばれている

    プラチナには以下のような意味があるとされています。

    ・純粋、純潔
    ・永遠

    明確な言い伝えなどはありませんが、プラチナ特有の白い輝きが「純粋、純潔」をイメージさせることから言われるようになったのではと推測しています。

    また、耐久性があり変質しにくい特性は「永遠」という印象を与え、そこから「永遠の輝き」や「永遠の愛」などが連想されます。このような意味が、ブライダルジュエリーとしてプラチナが人気な理由のひとつと言えるでしょう。

    長期的な価値がある

    プラチナは希少性が高く、変質しにくい特性を持つため、長期的な価値を保持します。とくに高級ジュエリーブランドのプラチナ製品は、素材価値とブランド価値の相乗効果により、時を経ても価値が下がりにくい傾向があります。代表的なブランドとしては、以下が挙げられます。

    ・カルティエ
    ・ハリーウィンストン
    ・ティファニー

    これらの一流ブランドが手掛けるプラチナリングは、職人技とデザイン性が融合した芸術品として評価され、世代を超えて受け継がれるような宝物となるでしょう。

    おもに婚約指輪として人気な上記ブランドのプラチナリングについて、興味がある方は、以下の記事もあわせてご覧ください!

    参考記事
    >>カルティエでおすすめの婚約指輪
    >>ハリー ウィンストンでおすすめの婚約指輪
    >>ティファニーでおすすめの婚約指輪

    高額売却ならお気軽にご相談ください

    お持ちのお品物の価値
    最短でお答えいたします


    プラチナの希少性が紡ぐ永遠の価値

    プラチナは、地球上で限られた量しか存在しない希少な金属です。その特性や美しさは、一生ものの輝きを象徴し、時代を超えて愛され続けています。その価値は見た目の美しさだけではなく、耐久性や特別感にも表れています。

    そんなプラチナを選ぶことは、永遠に続く価値と特別な意味を手に入れること。大切な瞬間をより輝かせる選択としてブライダルジュエリーに選ぶのも良いでしょう。ぜひプラチナの魅力を感じてみてください。

    金・貴金属の高価買取ならブラリバにおまかせください!
    金・貴金属の高価買取ならブラリバにおまかせください!