【プラチナ純度の違い】種類ごとの特徴や用途別の選び方を解説

結婚指輪や特別なジュエリーとして、特に人気の高いプラチナ。

指輪などのプラチナ製品には、必ず「Pt950」や「Pt900」などの刻印が入っています。「何を意味するのだろう?」と疑問に思ったことがある方もいるかもしれませんが、実はこの刻印は、“純度”を表しているのです。

プラチナは、純度によって見た目や耐久性などの特性が変わります。純度まで見極められるようになれば、一生もののジュエリー選びにも役立つはずです。

この記事では、プラチナの純度の意味や調べ方、種類ごとの特徴を紹介。純度に応じたプラチナジュエリーの選び方についても解説しているので、プラチナ製品の購入を検討している人はぜひ参考にしてください。

・記載されている貴金属価格は参考価格であり、実際の取引価格とは異なる場合があります。
・本記事は情報提供を目的としており、投資助言や推奨を行うものではありません。貴金属への投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任において行ってください。

 


プラチナの純度とは

プラチナの純度とは、製品にどれだけの割合でプラチナが含まれているかを示す指標です。

最も一般的な表記は、プラチナの元素記号である「Pt」の後に、1000分率の数値(千分率)で純度を示す数字を組み合わせたものです。数字が大きいほど純度が高く、含有されているプラチナの割合が多いことを意味します。

例)Pt900=純度90%のプラチナ

一見どれも同じように見えるプラチナ製品ですが、純度によって価値や耐久性に微妙な違いが生まれます。たとえば、高純度のものは希少性が高い反面、ややキズがつきやすく、逆に純度がやや低いものは硬くて丈夫など、それぞれに特徴があります。

そのため、指輪やネックレスなどのジュエリーを選ぶとき、あるいは売却を検討するときには、“どの純度が自分に合っているか”を知っておくと安心です。

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プラチナの純度の調べ方

手持ちのプラチナや、購入を考えているジュエリーの純度を知りたいときは、いくつかの方法で確認できます。

刻印で純度を調べる

最も簡単なのは、刻印を確認する方法です。プラチナの純度はジュエリーやアクセサリーの場合、製品本体に「Pt+数値」が刻印として打たれています。

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なお、古いプラチナ製品には「Pm」「P.M」と刻印されている場合があり注意が必要です。これは「Pt」となる以前の表記。「Pm」の刻印のプラチナ純度は、85%に満たないケースもあります。

X線分析で調べる

プラチナの純度は、X線分析で専門的に調べることも可能です。買取店・質屋・宝石店では専用装置が利用され、プラチナが何%含まれているかまで正確に知ることができます。プロに依頼する必要がありますが、正確に純度を把握したい場合は利用してみるのも良いでしょう。


【純度別】プラチナの特徴と違い

プラチナは、純度によってジュエリーなどに用いられる基準が国際的に定められているほか、日本独自の基準もあります。それぞれの純度による特徴を見ていきましょう。

Pt999(純プラチナ)

「Pt999」は純度99.9%のプラチナあることを示します。

現在の技術では100%純粋なプラチナは存在しないとされており、これが最も高純度なプラチナです。非常に柔らかいため、ジュエリーとして加工されることは少なく、インゴットやコインなどの地金として使われることが多いです。

市場では「Pt1000」と表記されることもありますが、2012年4月以降は造幣局の規定により「Pt999」に統一されています。よって、Pt1000もPt999も、その価値に差はありません。

Pt950(純度95%)

「Pt950」は純度95%のプラチナで、残りの5%はパラジウムなどの他の金属(割金)が混ぜられています。

国際基準では、純度が95%以上でないとプラチナとして認められないと決められています。そのため海外ブランドのジュエリーにはPt950が多く使われています。Pt999に比べて適度な強度があり、プラチナ本来の輝きも保たれるほか、金属アレルギーが起こりにくい傾向もあります。

なお日本国内ではルールが異なり、Pt850以上であればプラチナのジュエリーとして販売してよいとされています。

Pt900(純度90%)

「Pt900」は純度90%のプラチナで、残りの10%はパラジウムなどの割金(貴金属を合金にする際に混ぜるほかの金属のこと)が混ぜられています。

Pt900は、日本で最も一般的に流通しているプラチナジュエリーの純度です。純度が高すぎるものよりも硬度が高く、キズや衝撃に強い特性があります。国際的にはPt950が主流の国も多いですが、日本ではPt900が長年培ってきた実績と加工のしやすさから、依然として中心的なプラチナ素材となっています。

国内ジュエリーブランドの多くがPt900を採用しており、特に耐久性が求められるブライダルリングにおいては、事実上のスタンダードとして確立されています。

Pt850(純度85%)

「Pt850」は純度85%のプラチナで、残りの15%は割金です。Pt850のプラチナは、リーズナブルでアクセサリー素材として人気が高いいっぽうで、高純度のプラチナと比較すると資産価値は劣ることがあります。

Pt585(58.5%)

「Pt585」は、プラチナが58.5%含まれる合金です。プラチナの価格が高騰した時期に、価格を抑えた製品として流通しましたが、近年はあまり見られなくなりました。普段使いのアクセサリーとしては適していますが、低純度品のためプラチナとみなされず、一部業者では買取値がつかない可能性もあります。


プラチナの純度と用途!おすすめの選び方

どの純度のジュエリーを買うか迷ったときは、以下の4つのポイントを意識するのがおすすめです。

・金属アレルギーがあるかどうか
・長持ちするものが欲しいか
・結婚指輪・婚約指輪などの特別なものか
・予算を抑えたいか

それぞれの項目について、詳しく説明していきます。

金属アレルギーが心配なら高純度のものを

ジュエリーに使用される金属には、金属アレルギーが起きやすいものとそうでないものがあります。プラチナ自体は金属アレルギーを起こしにくい金属ですが、純度が下がるにつれ、アレルギーを起こす可能性が高まります。

金属アレルギーを起こしやすいニッケルが、混合物として含まれる確率が高まるためです。アレルギーが心配なら、Pt950以上のジュエリーをおすすめします。

長持ちさせたければ高純度がおすすめ

プラチナは酸に強く、変色しにくいのが特長です。しかし、以下のような要因により、まれに変色してしまうケースがあります。

  • 汗・皮脂による酸化
  • 洗剤・シャンプーなどの化学製品による酸化
  • 温泉の成分による酸化

純度が高いほど、酸に強いプラチナの割合が多くなり、変色する恐れも軽減されます。普段アクセサリーをつけっぱなしにする方で、長持ちするものがほしい方は、純度の高いものを選ぶことをおすすめします。

結婚指輪はPt900以上がベター

人生の節目となる結婚指輪や婚約指輪は、通常の指輪よりも高品質でありながら、ある程度の強度がある素材が使用されていますプラチナ製のマリッジリングは、ほとんどの場合、Pt900かPt950であることが多いです。

海外ブランドのプラチナリングには、基本的にPt950が使用されており、国内ブランドより価格が高い傾向があります。

予算を抑えたい場合はPt850以下を

予算を抑えたい場合は、Pt850以下のプラチナジュエリーを選ぶと良いでしょう。ただし、Pt950とPt850では、1グラムあたりの相場の差が数百円ほど。将来売却する可能性も考慮すると、Pt950のほうがコスパがよいと言えます。

>>プラチナの価値はなくなるのか?最悪のシナリオを考えてみた

また、予算を抑えるためには有名ブランドを避けるという手もあるでしょう。ブランド品の価格には、素材の価値にプラスして、ブランド料・デザイン料が含まれます。有名ブランドにこだわらなければ、純度の高いジュエリーを比較的安く入手できます。


純度以外のプラチナの分類

純度以外にも、割金となる金属によってプラチナは様々な分類にわかれています。

ハードプラチナ

ハードプラチナは、割金の配合や製造方法を工夫することで、通常のプラチナよりもさらに強度を高めたものです。特に結婚指輪や婚約指輪など、長く日常的に着用するジュエリーによく採用されています。

従来のプラチナの割金にはパラジウムが主に使用されていましたが、ハードプラチナでは、ルテニウムやイリジウムなど、プラチナを効率よく硬くする特性を持つ金属が少量配合されています。

ハードプラチナは、Pt950やPt900のものが一般的です。近年では、Pt999に近い高純度でありながら、硬度を高めたハードプラチナも登場しています。「スーパーハードプラチナ」や「プレミアムハードプラチナ」など様々な呼び方があり、とくに結婚指輪で使用されることが多いです。

コンビ

プラチナと金を組み合わせて作られたジュエリーや製品のことをコンビと呼びます。

特にPt900と18金(K18)のコンビはジュエリーの素材として非常に人気が高く、結婚指輪、ネックレス、時計などでよく見られます。コンビの場合、刻印では「Pt900/K18」「K18/Pt900」などとわかりやすく刻印されています。

表記主素材副素材
Pt900/K18Pt900(プラチナ90%)K18(18金)
K18/Pt900K18(18金)Pt900(プラチナ)

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プラチナの価値は純度によって決まる

プラチナジュエリーを選ぶ際は、純度も大切な指標となります。日本ではPt900が主流ですが、国際基準ではPt950を用いるジュエリーブランドも多く、純度が高いほど価値は上がります。いっぽうで、高純度のプラチナほど柔らかく傷つきやすいため、用途に応じた選択が必要です。

お手持ちのプラチナジュエリーがある方は、一度刻印を確認してみてください。2025年7月現在、プラチナ相場は高値で推移しており、もし使用していないジュエリーがあれば、その価値を把握しておくことも資産管理の一環として有益です。大切なジュエリーの価値を知ることで、今後の買い替えや資産活用の参考にもなるでしょう。

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