タキメーターとは?使い方・意味・おすすめのブランド時計までわかりやすく解説

モータースポーツや航空分野で活躍してきた「タキメーター」。

現在ではそのデザイン性から“おしゃれなディテール”として親しまれていますが、本来はスピードを測定するための実用的な機能です。

この記事では、タキメーターの仕組みや使い方、人気モデルをわかりやすく解説します。

本記事に記載されたタキメーターの機能や使用方法は、一般的な情報をもとに編集したものです。製品の仕様や精度はモデルによって異なるため、詳細は各メーカーの公式情報をご確認ください。


タキメーターとは

タキメーターは、一定距離を移動するのにかかった時間から平均時速を算出できる機能で、クロノグラフ付き腕時計によく搭載されています。多くの場合、時計のベゼル(外周部)に刻まれたスケールを使ってスピードを視覚的に読み取れるのが特徴です。

たとえば1kmの距離を車で走行した場合、クロノグラフをスタートして1km地点で止めると、その針が指し示すタキメーターの目盛りが「平均速度(km/h)」を表します。わずかな計測だけで正確な平均時速がわかる便利な機能として、モータースポーツや航空業界などプロフェッショナルな現場で活躍してきました。

語源は「Tachy(速い)」+「Meter(測る)」に由来し、スピード測定専用の装備として誕生しました。当初はレーシングシーンやパイロットの計測ニーズを背景に採用されましたが、やがてそのメカニカルな美しさが一般の時計愛好家にも人気となり、現在ではクロノグラフの象徴的なデザイン要素として幅広く取り入れられています。


タキメーターの基本的な使い方

タキメーターの使い方は非常にシンプルです。基本的な流れは次の通りです。

  1. 距離の確認
    通常は1kmまたは1マイルといった一定の距離が基準になります。
  2. 計測開始
    移動開始と同時にクロノグラフをスタート。
  3. 計測終了
    基準距離を走り終えた地点でクロノグラフをストップ。
  4. スケール読み取り
    秒針が指している目盛りが平均時速を示しています。

たとえば、1km走行に30秒かかった場合、針が「120」の目盛りを指していれば、その平均時速は120km/hということです。

なお、タキメーターは基本的に1秒〜60秒の範囲での計測が前提であり、1分を超えると精度が著しく落ちるため、短時間のスピード測定専用であることを覚えておきましょう。さらに深掘りすると、タキメーターは「一定の基準値(たとえば3600秒=1時間)を計測時間で割る」仕組みで目盛りが刻まれていますこれは「逆比例」の原理に基づいており、計測時間が短いほど高い速度が表示される仕組みです。

たとえば、10秒で1km進んだ場合、3600(1時間の秒数)÷10=360km/hといった具合です。なお、タキメーターは速度の計測だけでなく、工場での生産性(1個の製造時間から1時間あたりの生産量を算出する)といった応用にも活用されています。


タキメーターの種類とスケールの読み方

タキメーターには主に2つのタイプがあります。

  1. 固定ベゼル型
    もっとも一般的なタイプで、ケースの外周にあらかじめ刻まれた目盛りが固定されているもの。たとえばオメガ スピードマスターやロレックス デイトナなどのクラシックなクロノグラフモデルが代表です。
  2. 可動ベゼル型
    使用者が自分でベゼルを回し、ゼロ位置を任意にセットできるタイプです。これにより、計測開始位置を微調整できる利便性がありますが、現在では少数派となっています。

スケールの読み方
30秒で1kmを走行:スケールが「120」 → 平均時速120km/h

45秒で1kmを走行:スケールが「80」 → 平均時速80km/h

15秒で1kmを走行:スケールが「240」 → 平均時速240km/h

タキメーターは目盛りの間隔が非線形(時間が短いほど密集)なので、最初は戸惑うかもしれませんが、慣れれば瞬時に読み取れるようになります。

また、近年は「二重スケール(km/hとmph両方表示)」なども登場しており、用途に応じたバリエーションが増えています。


現代の腕時計におけるタキメーターの価値

スマートフォンやGPS搭載デバイスが普及した現代において、タキメーターを実用目的で使う機会はほとんどありません。実際、「もう必要ないのでは?」「いらない機能」という声もあります。

しかし、タキメーターは単なる計測ツールを超え、いまやクロノグラフデザインのアイコン的存在です。たとえば、ロレックス デイトナやオメガ スピードマスターなどは、タキメーターを備えることで一目で「スポーティ」「メカニカル」といった印象を与えています。

ブランド各社がタキメーター搭載モデルを作り続ける理由は、そこにあります。デザイン性・ブランドの歴史・ユーザーの憧れが渾然一体となり、時計愛好家にとっては「ただのスケール」ではなくロマンの象徴として機能しているのです。つまり現代のタキメーターは、実用性よりも審美性・文化的価値が重視される存在と言えるでしょう。時計を選ぶ際、この小さなディテールが放つクラシックな魅力を再発見するのも楽しみのひとつです。


おすすめのタキメーター搭載モデル4選

Rolex(ロレックス)「コスモグラフデイトナ」

言わずと知れたロレックスの名作「デイトナ」は、耐傷性・耐衝撃性に優れたセラミック製ベゼルとプラチナのタキメータースケールを採用した高級感漂う一本。そのデザインと高精度クロノグラフは、多くの時計ファンを魅了し続けています。

OMEGA(オメガ)「スピードマスター ムーンウォッチ」

人類初の月面着陸に使用されたことで有名な「ムーンウォッチ」。手巻き式のクロノグラフを備え、宇宙空間でも正確に機能するタキメーターの信頼性は折り紙付き。デザイン面でも42mmのケースと3つのインダイアルが印象的なモデルです。

TAG Heuer(タグ・ホイヤー)「カレラ ホイヤー02」

モータースポーツと深い関わりを持つタグ・ホイヤーの名作。洗練されたレーシングデザインと高精度クロノグラフが融合し、プロフェッショナルにも支持される実力派タキメーター搭載モデルです。

ZENITH(ゼニス)「クロノマスター 1969」

ゼニスの象徴とも言える「エル・プリメロ」ムーブメントを搭載。高振動ムーブメントと視認性の高いタキメーターが融合した高性能モデルです。内部構造の一部が見えるオープンフェイスデザインも人気の理由です。

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タキメーターは実用性とデザイン性を兼ね備えた機能

タキメーターは、平均速度を計測する機能でありながら、時計のデザインにも大きな魅力を与える存在です。現在ではその機能性よりもデザインやステータス性を重視して選ばれることが多く、クラシックなクロノグラフ時計を好む方にとっては欠かせない要素ともいえます。

スピード感のあるスタイルを演出したい方、メカニカルな時計が好みの方には、タキメーター搭載モデルがぴったりです。

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