【種類別】価値が高い宝石15選!将来の人気予想も解説

人生で一度は訪れるかもしれない「宝石選びのタイミング」。大切な人へのプレゼント、長年努力した自分へのご褒美、プロポーズ……など、人生の転機を迎えている人も多いでしょう。「“一生もの”だからこそ、価値のある宝石を選びたい」そう考える人もいるかもしれません。

近年は、宝石の動産としての価値にも注目が集まっています。経済状況の混乱が続く中、不変の価値を持つ宝石への投資を考えている人もいるのではないでしょうか。

この記事では、不動の地位を誇る「世界四大宝石」から、近年注目を浴びる新鋭の人気石まで、“価値が高い”といえるジュエリーを15種類紹介していきます。宝石選びのひとつのヒントにしてください。

本記事に記載された過去データや将来予測は、2025年までの業界情報をもとに編集・推定された内容です。宝石の価値は市場要因により変動するため、参考情報としてご活用ください。

宝石の価値は何で決まる?

宝石の品質は、石の種類・原産地・処理方法・美しさ・濃淡・欠点の程度・サイズなど、複数の尺度によって決まります。

ただ、品質価値は厳密には違います。価値を決めるのは「需要」と「供給」のバランス。いくら品質が良い宝石でも、供給量が多く、需要が少なければ価値は下がってしまいます。つまり宝石の価値は、その時の市場トレンドや世界情勢など、目に見えないものにも左右されるのです。

宝石の中でも特に珍重され、高値で取引されるものを「貴石」、貴石以外の宝石を「半貴石」と区別することがあります。ただ、この線引きも明確な基準はなく、国や専門家によって異なるのが現状です。

貴石の条件
・美しさ
・希少性
・高い硬度(モース硬度7度以上が目安)
・耐久性

※その他、文化的価値など複数の観点が絡み合っている。

このように、宝石の価値は流動的で、明確に判断できるものではありません。それでも、「世界四大宝石」と称される4つの石など、不動の地位を誇るものもあります。


 不動の地位を誇る「世界四大宝石」

ダイヤモンドルビーサファイアエメラルド「世界四大宝石」と呼ばれ、不動の価値の高さを誇ります。これらが特別な理由は、美しさ・希少性・硬度・耐久性の全てにおいて、高水準で満たしているからです。

また、これらの宝石は歴史的にも特別な意味を持ち、文化的な価値も有しています市場での需要も常に高く、世界中で評価される普遍性を持っているのです。

ダイヤモンド

硬度モース硬度10
鉱物名ダイヤモンド(金剛石)
最高級品レッドダイヤモンド

宝石界のトップに君臨するダイヤモンド。人間界で最も固い物質であり、ギリシャ語で「征服されない」「何よりも強い」を意味する“アダマス”が語源となっています。ダイヤモンドは、全ての宝石の中で圧倒的な強度を誇っているのです。

ただ、宝石としてのダイヤモンドは多種多様。同じダイヤモンドでも、価値が高いものから低いものまでかなりの幅があります

ダイヤモンドの品質を決める尺度は複数あり、もっとも有名なのが「4C」です。4Cは品質尺度の一部で、ダイヤモンドの価値評価と一致するわけではありませんが、国際基準として広く使われています。

「4C」を構成する4項目
① カラット (Carat/重さ)
② クラリティ(Clarity/透明度)
③ カラー(Color/色)
④ カット(Cut/形や仕上げ)

>>ダイヤモンドの価値を見極める「4C」の詳細はこちら!
>>ダイヤモンドの産出国ランキングTOP5!

ダイヤモンドはごく稀に、ピンク、オレンジ、イエロー、グリーン、ブルー、パープルなどの美しい色がつくことがあります。一定以上の濃さを持つダイヤモンドは「ファンシーカラーダイヤモンド」という言葉がつけられ、非常に高価です。

2017年に当時のレートで約79億円で落札された59.60カラットのファンシービビッドピンクダイヤモンドは、オークションで世界一高値がついた宝石とされています。さらに、世界でもっとも希少価値が高いとされているのはファンシーレッドダイヤモンドです。

ルビー

硬度モース硬度9
鉱物名コランダム(鋼玉)
最高級品モゴック産ピジョンブラッド

ルビーは、コランダム(鋼玉)という鉱物。コランダムは硬度が9と、ダイヤモンドの次に硬い鉱物です。

ルビーの価値は、色の濃さや透明度などによって変動します。最高品質のルビーは「ピジョンブラッド(鳩の血)」と称される、ミャンマーのモゴック産のものです。

また、加熱処理の有無によっても品質に差が生まれます。ルビーの鮮やかな赤を出すために、加熱処理を施すことが主流ですが、加熱すると透明感が失われてしまうのです。

そのため、加熱せずとも美しい無処理の「ピジョンブラッド」が世界最高品質のルビーとされています。無処理の「ピジョンブラッド」は大変貴重なため、ダイヤモンドよりもはるかに高い価値が付く可能性があります

圧倒的な品質を誇るモゴック産のほか、以下の産地も高く評価されています。

  • スリランカ産
  • タイ産
  • モンスー(ミャンマー)産
  • モザンビーク産

>>ルビーの買取相場を産地別で比較

サファイア

硬度モース硬度9
鉱物名コランダム(鋼玉)
最高級品カシミール産ブルーサファイア

宝石界では、コランダムのうち赤系のものがルビー、それ以外がサファイアとされています。一般的にサファイアといえばブルーサファイアですが、実はイエローサファイアやグリーンサファイアなども存在します。

ルビー同様、ブルーサファイアは産地や個体ごとの色・透明度・加熱処理の有無などによって価値やランクが大きく異なります

極上とされるのは、「コーンフラワーブルー」と称されるやわらかく上品な青が特徴のカシミール産サファイアです。カシミール産サファイアは加熱処理をしなくても美しい最高級品であることに加え、現在は枯渇してほとんど採掘されていません。そのため、「幻の宝石」と称されるほど希少価値が高く、還流品が登場すると破格の値段がつきます。いっぽうで、シェアが多かったオーストラリア産は美しさに欠けるものが多く、ランクもかなり下がります。

幻のカシミール産に次ぐ質の高さで注目されるのは、以下の産地などです。

  • ミャンマー産
  • スリランカ産
  • マダガスカル産

>>サファイアの色とランクを徹底解説!

エメラルド

硬度モース硬度7.5~8
鉱物名ベリル(緑柱石)
最高級品コロンビア・ムゾー鉱山産

少なくとも紀元前330年頃からの長い歴史を持つ神秘的なエメラルド。「世界四大宝石」の中では硬度が低めで、繊細な一面もあり、他の宝石に比べて内包物やキズが多いことも特徴です。そのため、現在ほとんどのエメラルドには、無色のオイルまたは樹脂などの液体が含浸されています。

エメラルドも、産地や透明度などの個体差、処置方法によってランクや価値が大きく異なります

最も高く評価されているのは、深い緑色と高い透明度が特徴のコロンビア産。その中でも特に、ムゾー鉱山のものは、最も貴重なカラーストーンのひとつで、モゴック産ルビー、カシミール産サファイアと同等またはそれ以上の価値がつくこともあります。

コロンビア産のエメラルドが最も多くのシェアを占めていますが、ザンビア産ジンバブエ産なども比較的高く評価されています。

>>エメラルドの産地ごとの違い・価格相場を詳細解説!


人気急上昇の「世界三大希少石」

「世界四大宝石」が不動の地位を保ついっぽうで、宝石市場には新たなスターが誕生しています。「世界三大希少石」とも称される、パライバトルマリンアレキサンドライトパパラチアサファイアです。これらは比較的歴史の浅い宝石ですが、希少性が極めて高く、優れた美しさを持つため、ジュエリーとしての人気が沸騰。愛好家や投資家から熱い視線を集めています。

パライバトルマリン

硬度モース硬度7~7.5
鉱物名トルマリン(電気石)
最高級品ブラジル・バターリャ鉱山産

パライバトルマリンは、まだ世に出て間もないものの、鮮やかなネオンブルーの類稀な美しさにより、人気が沸騰しています。ごく限られた鉱山でしか採掘されず、年々減少傾向にあることからも、非常に希少性が高いです。

鮮やかで濃いネオンブルーやグリーンが高価値とされ、色が薄い、または黒っぽいものは価値が下がります。またカラット数が大きいほど希少性が高まり、1カラットを超えると価格が急上昇します。

産地では、ブラジル産が最も価値が高く、アフリカ産は少し安価な傾向にあります。

>>パライバトルマリン1カラットあたりの驚くべき価格とは!

アレキサンドライト

硬度モース硬度8.5
鉱物名クリソベリル(金緑石)
最高級品ロシア・ウラル山脈産

1830年にロシア・ウラル鉱山で発見されたアレキサンドライトは、太陽光線下ではグリーン、白熱電球下では赤紫に変色するという特徴を持っています。はっきりと色が変化する良質なものは、その珍しさから非常に高値で取引されています

1900年代にはブラジルやスリランカなどで大量に産出されたものの、現在は良質な石はほぼ採り尽くされたと考えられています。今はアフリカ(マダガスカル、タンザニア、モザンビークなど)が主な産出地ですが、いずれも産出量はごくわずかです。

パパラチア・サファイア

硬度モース硬度9
鉱物名コランダム(鋼玉)
最高級品スリランカ産

サファイアには黄色、緑、紫など、青以外のものも存在し、まとめて「ファンシーカラーサファイア」と呼ばれています。なかでも、希少性の高さと人気の高まりで価値が上昇しているのがパパラチアサファイアです。

パパラチアは「蓮の花」を意味するスリランカの言葉に由来し、ピンクとオレンジが絶妙に混ざり合った独特の色が魅力です。ピンクとオレンジのバランスが取れた美しい色合いのものは、何百・何千ピースの中からもごく一部しか見つかりません。色が薄すぎたり、茶色味が強いものは価値が下がります。

産出量の減少と需要増加により、今後さらに価値が高まると予想されています。


日本独自の基準による“貴石”

前述の通り、国や専門家により「貴石」の基準は異なっており、宝石業界内でも統一されていません。

日本では独自の価値観があり、翡翠(ヒスイ)や真珠なども貴石として扱われます。これらはモース硬度7が以下で四大宝石には及びませんが、日本の文化・歴史と深く結びつき、独自の美意識によって珍重されてきました。

翡翠(ヒスイ)

硬度モース硬度6.5~7
鉱物名翡翠(ジェダイト/硬玉)
最高級品ミャンマー産ろうかん

日本の国石に指定されている翡翠。翡翠にはジェダイト(硬玉)とネフライト(軟玉)と2種類の鉱物がありますが、日本で宝石とされているのはジェダイトのほう。

>>ジェダイトとネフライトの違いや見分け方を徹底解説

実は、日本で翡翠は縄文時代から珍重されており、翡翠文化は日本発祥であるとされています。翡翠の硬度は6.5~7ほどですが、独特な美しさや文化的な位置づけから、日本では“貴石”に分類することが多いです。

翡翠は、透明度が高いものほど価値が高いとされ、最高級品は「ろうかん」と呼ばれています。現在では、樹脂で加工して透明度を向上させる処理方法が広く広まりました。無処理の天然ものと比べるとグレードは大きく下がるため、購入する際は処理の有無を確認することも大切です。

また、翡翠は緑色だけでなく、多くの色みが産出されます。グリーンに次いで、ラベンダーカラーのものが美しいとされています。

真珠(パール)

硬度モース硬度2.5~4.5
鉱物名真珠(パール)
最高級品日本産アコヤ真珠の花珠

真珠は、ほかの宝石のように地質学的プロセスによって形成された鉱物ではなく、二枚貝の体内で生成された生体鉱物(バイオミネラル)です。しかし、日本は真珠養殖の発祥国であり、アコヤ真珠など世界に誇る「和珠」ブランドがあります。皇室の人々の装飾品としても重宝され、伝統工芸やジュエリーに欠かせません。

さらに、独特の光沢や形の美しさが高く評価され、自然が生み出す偶然性や希少性も相まって、宝石としての価値が認められています。希少性・美しさ・耐久性などの基準を満たしているため、日本だけでなく、世界的にも真珠は宝石の一種とされています

日本で最も代表的な真珠は、『古事記』や『日本書紀』にも登場するアコヤ真珠です。中でも巻き・テリ・キズ・形・色の全てが最高レベルのものを「花珠(はなだま)」と呼び、めったに採ることができない希少価値があります。

>>本物の真珠と人工真珠の見分け方とは?


その他の“貴石”とみなされる宝石

一般的には、モース硬度が7以上であることが“貴石”の条件のひとつとされています。これは、硬度7以下の宝石は慎重に扱わなければ摩耗して価値が減少するためです。この基準を満たす宝石として、キャッツアイ、スピネル、アクアマリン、スピネルなどがあります。

また、タンザナイトやオパールは硬度7未満ですが、産地が限定される希少石。その特殊性から、四大宝石に匹敵する価値を持つこともあります。ここからは“貴石とされることもある”価値の高い宝石たちを見ていきましょう。

タンザナイト

硬度モース硬度6~7
鉱物名ゾイサイト(灰簾石)
最高級品タンザニア・メレラニ鉱山産(特にDブロック)

タンザナイトは、タンザニアの一地域(メレラニ鉱山)でのみ産出される非常に希少な宝石です。価値の高さは主に、色・透明度・大きさ・カット・多色性(見る角度で色が変わる)によって判断されます。特に色が濃く透明度の高い大粒石は非常に高価す。希少性の高さから市場価値も年々上昇しています。

キャッツアイ

硬度モース硬度8.5
鉱物名クリソベリル(金緑石)
最高級品スリランカ産クリソベリル・キャッツアイ

キャッツアイは、光を当てたときに猫の目のようなシャトヤンシー効果(光の帯)が現れる宝石を指します。中でもクリソベリル・キャッツアイが最も高く評価されています。シャトヤンシーがはっきりしており、色が美しく、透明度が高いものは希少で高価です。希少性と独特の美しさが価値の源になっています。

オパール

硬度モース硬度5~6.5
鉱物名オパール(蛋白石)
最高級品オーストラリア産ブラックオパール

オパールは「遊色効果」と呼ばれる見る角度によって変わる虹色の輝きが最大の特徴で、特にブラックオパールファイヤーオパールなどは希少性・美しさともに非常に高く、世界的に高値で取引されます。遊色が鮮明でパターンが美しいものほど価値が高いです。また、産出量が限られるため希少性も価値を押し上げる要因です。

スピネル

硬度モース硬度8
鉱物名スピネル(尖晶石)
最高級品ミャンマー産レッドスピネル

スピネルは、かつてルビーやサファイアと混同されていた歴史を持つ希少石です。特にビビッドな赤や青、ピンクなどの鮮やかな色合いを持つものは非常に高価で、近年は希少性と美しさから評価が急上昇しています。透明度が高く、彩度の高いものほど価値が高いです。

アクアマリン

硬度モース硬度7.5~8
鉱物名ベリル(緑柱石)
最高級品ブラジル・サンタマリア鉱山産

アクアマリンは、澄んだ水色~青色が特徴の宝石です。色が濃く透明度が高いもの、特にサンタマリア産などは高価です大粒で傷や内包物が少ないものほど希少性が高まり、価値も上がります。全体的には比較的入手しやすいですが、トップグレードは高値で取引されます。

トパーズ

硬度モース硬度8
鉱物名トパーズ(黄玉)
最高級品ブラジル産インペリアルトパーズ

トパーズカラーバリエーションが非常に豊富な宝石です、特にインペリアルトパーズ(オレンジ~ピンク系)は希少性が高く高価です。ブルートパーズなどは比較的安価ですが、色が濃く透明度が高いもの、希少色は価値が高くなります。市場では品質と色による価格差が大きい宝石です。


今後の宝石の価値は?

ファッショントレンドのように短期間で大きく変動するものではありませんが、宝石の価値は需要と供給のバランスによって移り変わっていきます。将来の宝石市場はどうなるのでしょうか?価値の変動予想を見ていきましょう。

価値が上がるかもしれない宝石

価値が上がる可能性が高いのは、「市場に極めて少ない伝統のある宝石」。つまり、品質が安定しているが供給が少なく、需要が高いものです。

たとえば、ミャンマー・モゴック産の天然無処理ルビーや、ミャンマー産・スリランカ産の天然無処理サファイアなどが挙げられます。

また、海外宝石商の間では、「2025年に人気が出るカラーは緑」との声が多いようです。緑色のトルマリングリーンサファイアは、比較的手ごろな価格で入手しやすい宝石ですが、人気が上がり価値も上昇する可能性があります。

 価値が下がるかもしれない宝石

近年、宝石需要の多様化により、安価な合成ダイヤモンドが多く市場に出回るようになりました

いっぽう、天然ダイヤモンドの産出量は21世紀に激増。中国経済の減速により、経済成長時代に買われたダイヤモンドが流出すると、市場のダイヤモンド供給量はさらに増加するでしょう。そのような理由から、今後のダイヤモンドの価値減少を懸念する専門家の声もあります。

また、現在鮮やかなネオンブルーで人気を博しているパライバトルマリンですが、この人気が続くとは断言できないとの声もあります。硬度が7とあまり高くなく、宝石としての格が高いとは言えないためです。

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出典:
塚田 真弘「<鉱物の魅力がわかる> 天然石と宝石の図鑑」日本実業出版社, 2005
諏訪 恭一「決定版 宝石」世界文化社, 2013
諏訪 恭一「知っている人は得をしている 宝石の価値」新潮社, 2024

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