
翡翠(ひすい)は、その神秘的な美しさとスピリチュアルな力を持つことから、日本や中国をはじめとする東アジアで長く愛されている天然石です。
一見するとすべて同じに見える翡翠ですが、実は「ジェダイト(硬玉)」と「ネフライト(軟玉)」という2種類の鉱物が存在します。
この2種類は見た目が似ていても、成分や硬度、透明度、価値などに大きな違いがあり、市場での評価も異なります。
本記事では、翡翠の種類や特徴、見分け方までをわかりやすく解説します。
「手元の翡翠がどちらか分からない」「買うなら価値のあるほうがよい」といった疑問をお持ちの方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
翡翠(ヒスイ)は大きく分けて2種類ある
翡翠(ひすい)は、美しい緑色や光沢が特徴の天然石ですが、鉱物学的には「ジェダイト(硬玉)」と「ネフライト(軟玉)」という、性質の異なる2種類に大別されます。
英語ではどちらも “Jade(ジェイド)” と表記されることもありますが、日本や中国など東アジアでは、とくに「ジェダイト=本翡翠」として扱われることが多く、文化的な認識にも違いがあります。
日本の宝石業界では、鑑別書や流通上において「翡翠」と記載されるものの多くがジェダイト(硬玉)を指します。いっぽう、ネフライトは「軟玉」として区別され、価値評価や取引価格にも明確な差が設けられています。
項目 | ジェダイト(硬玉) | ネフライト(軟玉) |
---|---|---|
鉱物名 | ジェダイト(Jadeite) | ネフライト(Nephrite) |
モース硬度 | 6.5〜7 | 6前後 |
比重(密度) | 高め(約3.3〜3.5) | やや低め(約2.9〜3.1) |
結晶構造 | 粒状(緻密な粒子が集合) | 繊維状(絡み合った繊維構造) |
色の傾向 | 鮮やかで均一な緑、半透明〜透明 | ややくすんだ緑〜灰緑、白っぽく不透明なものも多い |
光の透け方 | 光をよく通し、奥行きのある美しい透け感がある | 光が通りにくく、白っぽく濁って見える |
おもな産地 | ミャンマー(旧ビルマ) | 中国、ロシア、カナダ、ニュージーランドなど |
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それでは、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
みずみずしい透明感が特徴のジェダイト(硬玉)
ジェダイトは「硬玉」と呼ばれる翡翠の一種で、鉱物名はジェダイト(Jadeite)です。ナトリウムとアルミニウムを含む珪酸塩鉱物で、非常に緻密な粒状結晶構造を持っています。
モース硬度は6.5〜7と高く、ネフライトよりも硬くて重く、耐久性に優れています。見た目は鮮やかで均一な発色を持ち、半透明〜透明の美しい光沢を持つものが多いのが特徴です。
おもな産地はミャンマー(旧ビルマ)やグアテマラで、とくに高品質なジェダイトはミャンマー産に集中しています。
落ち着いた風合いが魅力のネフライト(軟玉)
ネフライトは「軟玉」とも呼ばれる鉱物で、鉱物名はネフライト(nephrite)です。おもに鉄やマグネシウムを含む珪酸塩鉱物で、繊維状の結晶が絡み合った構造をしています。
モース硬度はおおよそ6前後で、ジェダイトよりやや柔らかく、比重(密度)も若干低めです。色は緑系を中心に、灰色や黒に近い濃い色合いのものや、白っぽい色合いのものも多く、見た目にはややくすみがかった落ち着いた印象を与えます。
産地としては中国、ロシア、カナダ、ニュージーランドなどが有名です。
ジェダイトとネフライトで価値が高いのは「ジェダイト」
ジェダイトとネフライトは見た目が似ているものの、市場での評価や宝石としての扱いには大きな差があります。一般的に、宝石としての価値が高いのは「ジェダイト(硬玉)」です。
価値の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
>>ジェダイトとネフライトの価値の違いについてはこちら
ジェダイトとネフライトの見分け方
ジェダイトとネフライトは、非常によく似た見た目をしているため、素人が完全に見分けるのは難しいのが実情です。ただし、いくつかのチェックポイントを知っておくことで、目安として判別することは可能です。
以下では、代表的な見分け方を紹介します。
光を当てて透け感をチェックする
ジェダイトは半透明〜透明のものが多く、光を当てると奥行きのある透け感が見られます。いっぽうネフライトは光を通しにくく、白っぽく濁って見えることが多いのが特徴です。
色味や質感を観察する
ジェダイトは発色が鮮やかで、全体的に均一な色合いのものが多いです。ネフライトはややくすんだ緑や灰緑色で、繊維状の結晶による“もや”のような質感が見られます。
重さと硬さを比べる
ジェダイトはネフライトよりも硬く密度が高いため、手に持つとやや重く感じます。硬さがあるぶん、表面にはガラスのようなツヤが出やすく、触り心地も滑らかです。ネフライトは軽く、やや柔らかいため、ツヤが控えめでしっとりとした質感です。
専用ルーペで内部構造を確認する
ルーペで内部を観察すると、ジェダイトは粒状や柱状の結晶構造、ネフライトは繊維状の結晶構造が確認できます。ただし、この違いは非常に微細で、専門家や熟練者でないと判別は難しいです。
これらのポイントを知っておくと、翡翠を観察するときの目安になります。
しかし最初に述べた通り実際には個体差や加工処理の影響もあり、見た目だけでジェダイトとネフライトを正確に判別するのは非常に難しいです。
確実な鑑別を求める場合は、宝石鑑別士や専門機関に依頼するのが安心で確実です。
ジェダイトとネフライトの違いを知って、自分に合った翡翠を選ぼう
ジェダイト(硬玉)とネフライト(軟玉)は、見た目が似ていても成分や硬度、透明度、価値が異なります。
今回紹介した特徴やチェックポイントを押さえれば、手元の翡翠や購入を検討している翡翠がどちらなのか、おおよその判断がつくはずです。
実物を観察しながら知識を積み重ねれば、「これはジェダイトかもしれない」「この特徴はネフライトだな」と自信を持って見分けられるようになります。
ぜひ本記事を参考に、翡翠の魅力と奥深さをより深く味わってください。
ジェダイトとネフライトの違いについて分かりやすく解説
ジェダイトとネフライト違いは、先述の通りジェダイトは輝光石なのですが、ネフライトは角閃石なので、そもそも石の種類が違います。見た目は似ているので、素人ではなかなか判断がつかないかもしれません。
また、硬度も若干異なります。ジェダイトのモース硬度は6.5~7に対して、ネフライトは6~6.5と異なります。加えて、ジェダイトとは硬玉に位置付けられますが、ネフライトは軟玉に位置付けられます。違いを簡単にまとめると下記の通りになります。
- ジェダイト 硬玉で輝光石、価格が高い気
- ネフライト 軟玉で角閃石、価格がお手頃
上記がジェダイトとネフライトの違いになります。購入する際や所有している翡翠がどちらなのか確認するの際の参考にしてください!
ジェダイトとネフライトを見分ける方法とは?
基本的には、素人にジェダイトとネフライトを見分けることは難しいと言われていますが、そのなかでも比較的見分けやすいポイントを紹介します。ジェダイトと根フライトを見分ける方法は下記の通りです。
- 刃を入れてみる
- 色彩
- 価格
上記がジェダイトとネフライトを見分ける方法となっています。では、順を追って見分け方の説明していきます。
刃を当ててみる
1つ目は、刃を当てる方法です。ジェダイトとネフライトは硬玉と軟玉で分かれているので、刃を当てたりするとその違いが分かります。では、刃を入れるとどうなるのでしょうか。
ジェダイトに刃を当てると表面だけ削れ、ネフライトの場合は柔らかいため表面だけではなく、中まで刃が入ることがあります。こういった硬さの違いから見分けるのもひとつの方法ですが、削れてしまうことがあるため注意が必要です。
色彩
2つ目の見分け方は色彩です。ジェダイトは緑色のイメージがある方もいると思いますが、本来は白色で中はネフライトよりも明るい緑色になっています。光などに照らしてみるとジェダイトとネフライトの色の差が分かりやすくなるので、ぜひ試してみください。
価格
3つ目の見分け方は価格です。こちらは、購入する前に見分ける方法のひとつですが、ジェダイトとネフライトは価格が異なります。
とくに、市場に出回っている深い緑色でSランクの品物は1カラット10,000円を超えることもあるので、手頃な価格のジェダイトを見つけた場合はネフライトの可能性があると疑った方いいでしょう。
以上がジェダイトとネフライトの見分ける方法です。なかなか見分けるのは難しいですが、今後ジェダイトとネフライトどちらなのか判断するときの参考になればと思います。
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ジェダイトとネフライトの違いや見分け方について紹介しました。外見は似ていますが硬さや色、価格などさまざまなところで異なる部分があります。この記事をもとにジェダイトとネフライトについて知っていただけたら幸いです!
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