オメガ スピードマスター オートマチックの魅力と有名モデルを解説!

時を超えて愛され続ける「オメガ スピードマスターオートマチック」。

その精緻なムーブメントと洗練された意匠は、ただの腕時計にとどまらず、持ち主の品格までも静かに物語ります。

宇宙開発の歴史とともに歩んできたスピードマスターは、まさに“伝説”を日常に落とし込んだ一本とも言えます。オートマチックモデルは、クラシックな佇まいと利便性を兼ね備えており、日常使いにもふさわしい逸品です。

本記事では、そんなスピードマスターオートマチックの魅力や選び方、人気モデル、そして購入時に気をつけたいポイントまでをわかりやすく解説。購入時の参考にしてください。

※本記事で記載している中古品の相場は2025年更新時点の情報を参考にしております。また、中古価格は流通状況や為替、状態、付属品の有無などによって大きく変動します。


1980年代後半に誕生した「スピードマスターオートマチック」とは

スピードマスターオートマチックは、オメガの名作「スピードマスター」シリーズにおける自動巻きムーブメント搭載モデルの総称です。

専門職向けに展開している「スピードマスタープロフェッショナル(通称ムーンウォッチ)」のレトロなデザインや世界観を踏襲しながらも、日常使いしやすいように作られた実用派モデルです。

ケースサイズはプロフェッショナルの約42mmに対して、オートマチックは38〜40mm程度とやや小ぶりで、手首が細い方にもフィットしやすいのが魅力。価格も控えめで販売されており、大衆向けのオメガとして人気がありました。

オートマチックは、主力モデルが2006年前後に生産終了し、2008年頃には自動巻きシリーズとしての展開を終えています。その後、ディティールや機能は、現行ラインの「スピードマスター38」などに継承されました。

中古市場でも、比較的手に取りやすい価格帯であり、高級時計の入門機として根強い人気を保っています。ムーンウォッチの世界観を手軽に楽しみたい方におすすめの一本です。


オメガ「スピードマスターオートマチック」の魅力

デザイン性と使いやすさを両立したスピードマスターオートマチックの魅力を紹介します。

多様なデザインが楽しめる

スピードマスターオートマチックの3種類横並び画像(リデュースド、レーシング、デイト)

スピードマスターオートマチックは、モデルごとに異なるデザインが魅力的です。

たとえば、小ぶりなケースにクラシカルなダイヤルを備えた「リデュースド」、スポーティな印象の「レーシング」、デイト表示付きで実用性を高めた「スピードマスターデイト」などラインナップが豊富です。

ほかにも、月相を教えてくれるムーンフェイズ機能を搭載したものや、レディース向けモデルなどもあります。

カラーリングやインデックスのデザインも多く展開されているため、“自分好みのモデルを選ぶ楽しさ”を味わうことができます。

スピードマスタープロフェッショナルと比べて安価

スピードマスターオートマチックは、スピードマスタープロフェッショナルより安く販売されていたこともあり、中古市場においても手が届きやすいモデルが多く出回っています。

中古価格は品物の状態によっても上下しますが、おおよその相場は以下のとおりです。

  • スピードマスタープロフェッショナルの中古品の相場:約60万円〜100万円
  • スピードマスターオートマチックの中古品の相場:約40万円〜60万円

※価格は相場や為替、状態、付属品の有無などによって大きく変動します。購入を検討する際は、複数の販売店や専門店の情報を比較することを推奨します。

中には、プロフェッショナルの約半額で入手できるモデルもあります。高級時計の購入がはじめての人にとっても、手が届きやすいと言えるでしょう。


オメガのスピードマスターオートマチックの有名モデル

オメガのスピードマスターオートマチックには、多くのファンが求める有名モデルがあります。どの時計を購入しようか悩んだら、ぜひこちらにも注目してみてください。

ここでは、現在でも高く評価されている5つのモデルを紹介します。

スピードマスターデイデイト(ST376.0822)

スピードマスターオートマチックの初代モデル「ST376.0822」は、1980年代後半にわずか2年間のみ生産された希少なタイムピースです。その限定的な製造期間と存在感から、愛好家たちの間では“ホーリーグレイル(聖杯)”の異名で親しまれています。

デザインはプロフェッショナルを彷彿とさせる堂々たる佇まいに、実用性を高める曜日・日付表示を搭載。

さらに、12時位置に配された24時間計のインダイアルが、機能美と個性を同時に引き立てます。

なお、生産数自体は決して少なくないものの、オリジナルの状態を保つ個体は極めて稀。というのも、長年の使用に伴い修理やパーツ交換が重ねられた結果、当時の仕様を色濃く残す個体は、もはや“探し求められる希少な存在”となっているのです。

“聖杯”という異名は、まさにその希少性と特別な意味を象徴するもの。ヴィンテージ・オメガのなかでも、とりわけ深い物語を宿した一本と言えるでしょう。

【デイデイト ST376.0822の詳細】
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:40.0mm(リューズ含まず)
キャリバー:Cal.1045(レマニア5100ベース)

スピードマスターオートマチック(Ref.3510.50)

スピードマスター オートマチック(Ref.3510.50)の正面写真スピードマスター オートマチック(Ref.3510.50)の側面写真

「スピードマスター オートマチック」シリーズを代表するモデルです。製造期間は1988~2006年と非常に長く、多くのファンに愛され続けてきました。

文字盤は全体的にブラックで統一されており、レトロでシンプルな、スピードマスターらしいデザインを採用しています。インダイアルを横方向に配置した「横目」のクロノグラフであり、王道的な見栄えを求める人にとくにおすすめです。

Ref.3510.50など一部のモデルは、「プロフェッショナルよりも小ぶりで軽量なスピードマスター」として、“リデュースド(Reduced)”の愛称でも親しまれています。

また、プロフェッショナルよりも安価に購入できるスピードマスターであり、多くのファンが実際に手に取るきっかけとなる1本とも言えるでしょう。

【Ref.3510.50の詳細】
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:39.0mm(リューズ含まず)
キャリバー:Cal.3220またはCal.1140
パワーリザーブ:約40時間

スピードマスターオートマチック(Ref.3510.52)

前述のRef.3510.50をベースにデザイン面でアレンジを加え、日本限定で販売されたレアモデルです。ブラックの文字盤にシルバーのインダイアルを配置しています。

初代スピードマスターを意識したレトロな雰囲気のなかに、スポーティーさを感じさせるデザインが魅力。風防には強化プラスチックガラスを用いており、独特の丸みが特徴的です。

クロノグラフ・スモールセコンド・タキメーター機能を搭載しており、使い勝手のよさにもこだわっています。ほかのモデルとはひと味違うスピードマスターを購入したい方におすすめの1本です。

【Ref.3510.52の詳細】
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:39.0mm(リューズ含まず)
キャリバー:Cal.3220またはCal.1140
パワーリザーブ:約40時間

スピードマスターオートマチック デイト(Ref.3513.50)

Ref.3510.50の後継シリーズのひとつであり、スピードマスター派生モデルのなかでも人気の高い、日付表示機能を備えたモデルとなります。

TVドラマ「エンジン」にて、木村拓哉さん演じる主人公が身につけた腕時計として話題になりました。ドラマが放映された2005年には、中古市場における価格が跳ね上がったこともありました。

文字盤に配置されたオメガのロゴは、印字ではなく立体的な「アプライド仕様」で仕上げられているため、通常のオメガとは異なる特別感も楽しめます。

また、風防には強化サファイアガラスを採用し、耐久性に優れています。インダイアルを縦に並べた通称「縦目」のクロノグラフで、スタイリッシュな雰囲気を醸し出しています。

【Ref.3513.50の詳細】
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:39.0mm(リューズ含まず)
キャリバー:Cal.1152
パワーリザーブ:約44時間

スピードマスター オートマチック「Ref.323〜」シリーズ

左:デイト グレー文字盤「323.30.40.40.06.001」
右:デイト 白文字盤「323.30.40.40.04.001」

2008年頃から生産された「Ref.323」シリーズは、「スピードマスター オートマチック」の歴史の最後を彩る腕時計です。キャリバーにはCal.3304を搭載し、48時間パワーリザーブを備えています。100m防水など、機能面にもこだわった時計です。

スポーティーなデザインでカラーバリエーションも豊富なのが魅力的です。インダイアルを横方向に配置した、「横目」のクロノグラフが特徴的であり、シンプルなグレー×ブラックやグレー×グレーのほか、「パンダ」の愛称で知られるホワイト文字盤×ブラック文字盤モデルなどもあり、好みのデザインを見つけやすいでしょう。

日本国内向けの限定モデルやオリンピックコレクション、コンビモデルにラグジュアリーモデルなど、コレクターからも注目されています。

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「スピードマスターオートマチック」は長く愛されているシリーズ

「スピードマスターオートマチック」は、オメガウォッチのなかでも、長く愛され続けてきた歴史あるシリーズです。

自動巻きムーブメントを搭載することで、はじめて高級腕時計を購入する人にとっても、手に取りやすい1本に仕あがっています。手巻き式モデルのプロフェッショナルよりも安く、また日常使いしやすい点も魅力と言えるでしょう。

スピードマスターオートマチックは、すでに生産を終了しているので、正規店で新品を購入することはできません。リユース市場でお気に入りの1本を見つけてみてください。信頼できるお店を選び、相談しながら決定するのもおすすめです。

参考文献
オメガの時計製造の歴史/OMEGA JA®
オメガ「スピードマスター オートマチック」の歴史。誕生から生産終了まで、そして現在の自動巻きモデルをひもとく/webchronos

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