
「HERMES(エルメス)」の「ドゥブルセンス」とは、表裏で異なるカラーを楽しめるリバーシブルのトートバッグです。高い収納力と豊富なカラーバリエーションを備え、日常使いからビジネスシーンまで幅広く対応します。
この記事では、ドゥブルセンスの特徴をはじめ、カラー展開や刻印の確認方法、最新の買取相場までを詳しく解説します。
目次
エルメス「ドゥブルセンス」とはどんなバッグ?
エルメスの「ドゥブルセンス」とは、ブランドとしては珍しいリバーシブルのトートバッグです。
ボディは正方形に近く、ハンドルは長めで、肩掛けしやすい設計。ロゴは控えめでシンプルなデザインですが、素材は両面とも柔らかめのレザーが採用されており、上品な仕上がりになっています。
「2つが1つに」なるリバーシブルバッグ
「ドゥブルセンス(Double Sens)」は、フランス語で「2つの意味」を表し、正式な発音は「ドゥブルサンス」です。名前のとおり「両面使えるリバーシブル」仕様となっています。
2010年頃に登場し、エルメスでは珍しいモデルとして話題を集めました。表と裏で異なる顔を持ち、シーンやコーディネートに合わせて印象を変えられる点が魅力です。
現在は廃盤!リモデルで「ネオ・ドゥブルセンス」に
そんなドゥブルセンスは現在、正規店での取り扱いがほとんどなく、事実上廃盤状態です(廃盤時期は2021年頃)。その後、デザインを一部変更した新モデル「ネオ・ドゥブルセンス」が登場し、現行コレクションに加わりました。
ネオ・ドゥブルセンスもリバーシブルですが、サイズ表記や細部の仕様が変わり、デザインは縦長の長方形になりました。
現在、フランスやオランダ、香港など複数国のエルメス公式オンラインストアで販売が確認され、バイカラー仕様の35サイズなどが展開中です。
エルメス初心者にもおすすめ!ドゥブルセンスの3つの魅力
ドゥブルセンスは、日常から特別なシーンまで使い勝手のよいトートバッグです。ここでは、ドゥブルセンスの魅力を3つに絞り、紹介していきます。
・トートバッグとしての実用性の高さ
・エルメス初心者でも手が届きやすい
リバーシブルで多用途に使える
ドゥブルセンスは2色のレザーを組み合わせたリバーシブル仕様で、表と裏で異なるカラーが楽しめます。裏返すだけで別の色合いのバッグに変わるため、その日の気分や装いに合わせて使い分けることが可能です。ひとつのバッグでふたつのカラーを使い分けられるため、2倍の楽しみがあります。
また、両面にエルメスの高品質なレザーを使用しているため、リバーシブルでも上品さと高級感が損なわれません。カジュアルな普段使いから、フォーマルな場面まで幅広く活躍する点も魅力です。
トートバッグとしての実用性の高さ
ドゥブルセンスはトートバッグならではの収納力を備えており、日常の必需品を持ち運べる実用的なデザインです。開口部が大きく開き、中の荷物を見渡しやすいです。
加えて、荷物の出し入れがしやすく、長財布やスマートフォン、500mlペットボトルなども楽に収まります。サイズによってはA4書類やノートパソコン、着替えまで収納可能なため、通勤や旅行といった場面でも活躍してくれるでしょう。
さらに、素材はヴォー・スイフトなど柔らかくしなやかなレザーが用いられており、滑らかな手触りで肩掛け時にも負担が少なく快適な使い心地が期待できます。
エルメス初心者でも手が届きやすい価格帯
ドゥブルセンスは、エルメスのレザーバッグの中でも比較的手が届きやすく、正規販売時の定価は40万〜55万円程度(発売当時)でした。ブランドを代表するバーキンやケリーは正規店でも150万円以上するため、ドゥブルセンスはエルメス初心者でも手に入れやすいバッグであることがわかります。
また、中古市場での流通が比較的多く、価格も安定しています。中古市場では、およそ定価の半額程度の20〜30万円台(2025年9月時点の情報)で購入可能です。
エルメスドゥブルセンスのサイズ展開
ドゥブルセンスはおもに3サイズが流通していました。そんな3サイズに加え、新モデルの「ネオ・ドゥブルセンス35」のサイズを紹介します。
※バッグには個体差があるため、サイズ表記と実際のサイズには誤差が生じることがあります。
ドゥブルセンス28
ドゥブルセンス28は最もコンパクトな最小サイズです。ハンドル長は約45cmで肩掛けもできます。
B5サイズの手帳や500mlペットボトルが収まるほか、長財布やスマートフォン、ポーチなど、日常の必需品を持ち運ぶことが可能。質量は約400g〜600g程度で、普段使いにぴったりです。
ドゥブルセンス36
ドゥブルセンス36は「スモール」とも呼ばれる中型モデルです。ハンドルの長さは約50cmとやや長めで肩掛けしやすく、質量は素材によって約500〜900gになります。
スモールとはいえ、A4サイズの書類やタブレット端末などが収まるため、普段使いから、通勤・通学用のバッグとしても活用できます。
ドゥブルセンス45
ドゥブルセンス45はシリーズ最大で、「ラージ」とも呼ばれます。ハンドル長は約49cmあり、厚手のコートなどを着ていても無理なく肩掛けできます。素材にもよりますが、質量は約700g〜1.2kg。
A4サイズの書類やタブレット端末、ノートパソコンはもちろんのこと、1~2泊の旅行にも活用できるでしょう。
ネオ・ドゥブルセンス35
ネオ・ドゥブルセンスは2025年に登場した新モデルで、縦長のフォルムが特徴です。
従来モデルのドゥブルセンス36より幅を抑え、高さを持たせた設計となっており、ハンドルも長めに改良されて肩掛けがしやすくなっています。A4サイズの書類も縦向きで収納でき、ビジネスシーンにも適しているでしょう。
エルメス「ドゥブルセンス」のカラーバリエーション
エルメスの「ドゥブルセンス」と「ネオ・ドゥブルセンス」の最大の特徴は、リバーシブルで多彩な色の組み合わせを楽しめること。ここでは、その中から代表的なカラーバリエーションを紹介します。
ドゥブルセンスのカラーバリエーション
ドゥブルセンスのおもなカラーバリエーションは、以下のとおりです。
配色 | 特徴 |
ゴールド × オレンジ | ブランドを象徴する鮮やかなオレンジと、落ち着きのあるキャメルブラウンのゴールドの組み合わせは、どちらも定番人気の配色 |
エトゥープ × クレ | 上品なグレージュのエトゥープに明るいクレの組み合わせは、シックさと華やかさを楽しめる配色 |
ブーゲンビリア × トスカ | 明るいピンク系のブーゲンビリアと深みのあるローズピンクのトスカの組み合わせは、可憐さと大人の雰囲気を兼ね備えた配色 |
ブルーイズミール × ブルーサフィール![]() | 深い青のブルーニュイと落ち着きのあるエタンの組み合わせは、清涼感とシックさを兼ね備えた配色 |
ネオ・ドゥブルセンスのカラーバリエーション
ネオ・ドゥブルセンス35にもさまざまな配色が展開されています。おもな配色は以下のとおりです。
配色 | 特徴 |
エトゥープ × クレ![]() | 温かみのあるグレージュのエトゥープと、柔らかなホワイトのクレを組み合わせた上品な配色 |
ブラック × マングローブグリーン![]() | 定番の黒とややくすみがかったマングローブグリーンは、大人な雰囲気を楽しめる配色 |
ブラック単色![]() | ネオ・ドゥブルセンスには単体もあります。黒はコーディネートを選ばない、使いやすい色 |
出典:HERMES France|HERMES Sweden
エルメス「ドゥブルセンス」の定価・中古価格
ここでは、エルメスの人気トートバッグ「ドゥブルセンス」シリーズについて、現行モデルである「ネオ・ドゥブルセンス」の定価と、すでに廃盤となった旧モデル「ドゥブルセンス」の中古市場での相場を紹介します。
ネオ・ドゥブルセンスの定価
ネオ・ドゥブルセンス35は、2025年4月に従来モデルのドゥブルセンス36に代わる新作として登場しました。
日本のエルメス公式オンラインストアでは796,400円で販売されていましたが、フランスのエルメス公式サイトでの現行価格は3,850ユーロ。2025年9月時点の為替レート(1ユーロ=約173円)を基に換算すると、およそ666,000円に相当します。
ドゥブルセンスの中古価格
ドゥブルセンスはすでに生産終了しており、新品は入手できないため、エルメス直営店や公式オンラインストアでの販売はなく、中古市場でのみ取引されています。
中古市場でも根強い人気があり、日本国内における中古市場での価格は、以下のとおりです。
サイズ | 中古価格 |
サイズ28 | 170,000円〜300,000円前後 |
サイズ36 | 200,000円〜400,000円前後 |
サイズ45 | 200,000円〜450,000円前後 |
※中古販売価格は2025年9月時点での価格を参考にしています。これらの価格はあくまで一例であり、商品の状態や付属品の有無、販売時期などによって変動します。
一般的に国内定価の半額程度となるケースが多いものの、素材やカラーによって価格は変動するため、注意してください。
エルメス「ドゥブルセンス」の革素材
ドゥブルセンスは裏返しにもしやすいよう、柔らかめの素材が使用されていることが多いです。ここでは、ドゥブルセンスに使われているおもな素材を紹介します。
ヴォー・スイフト
ヴォー・スイフトは、ほどよい柔らかさのある仔牛のレザーです。廃番となったヴォー・ガリバーの後継素材として2006年頃に登場しました。
手に吸い付くようななめらかな手ざわりが魅力で、マットな質感と発色がよいことで知られています。使い込むほど革がしなやかに馴染み、色味や質感に深みが増していくため、長く愛用できる素材として人気です。
表面にシボ(細かい凹凸)がほとんどないため繊細でキズが目立ちやすい面もありますが、その洗練された質感がエルメスのアイテムをよりエレガントに引き立てます。また、柔軟性が高いため、財布などの小物類にも用いられる汎用性の高いレザーです。
ヴォー・スイフトについて詳しく知りたい人はこちらの記事もおすすめです。
>>エルメス「ヴォー・スイフト」の魅力を解説!
トリヨンクレマンス
トリヨンクレマンスは、丈夫で柔らかい雄牛のレザーです。しっとりとした質感と細かなシボが特徴で、薄手ながらも非常に耐久性に優れています。
その丈夫さから日常使いのバッグにも適しており、ドゥブルセンスをはじめバーキンやケリーなど、エルメスを代表するアイテムにも広く採用されているレザーです。
美しい発色と上質な風合いを兼ね備え、エルメスの製品に高級感と実用性を両立させています。頻繁に使っても美しさを保ちやすく、毎日持ち歩くバッグにも最適です。
シッキム
シッキムは、ほんのりと艶感のある仔牛のレザーです。ふんわりとした柔らかな風合いが特徴です。ごく限られたモデルやカラーでのみ展開されているため、その希少性から特別な存在感を放ちます。
手に取った瞬間に伝わる柔らかさと滑らかな手触りは上品で洗練された印象を与え、使い込むほど手に馴染んで持ち主の形へと変化し、唯一無二の風合いを育てます。
ドゥブルセンスやボリードリラックスなど一部のバッグに採用されていますが、希少な素材のため入手は困難です。
ドゥブルセンスの刻印の場所
エルメスのバッグには、製造年を示す「製造刻印」が必ず打刻されます。刻印は年ごとに異なるアルファベット1文字で表され、通常はバッグの内側など外から見えない箇所に押されます。
モデルによって位置は異なりますが、ドゥブルセンスの場合はリバーシブル仕様のため、裏面(内側)底部のマチ縫い目付近に刻まれているのが一般的です。
また、2011年製造の一部モデルでは、長方形の枠内に「JO」と刻印された特殊な例も確認されています。通常、2011年の刻印は「O」ですが、この「JO」刻印は当時ごく限られたバッグにのみ見られる例外です。
刻印の場所や内容を確かめることは、エルメスバッグの真正性を判断するうえで大切なポイントです。
ドゥブルセンス以外のエルメスのリバーシブルアイテム
エルメスの革製品でリバーシブル仕様が採用されている例は多くありません。その中でも代表的なのがベルト類です。
エルメスのベルトは、表と裏で異なるカラーのレザーを貼り合わせて仕立てられており、1本で2通りのコーディネートが可能な実用性の高いアイテムです。
多くのモデルで着脱式バックルが採用されており、バックルを付け替えたりベルトを裏返したりすることで印象を変えられます。
アイコニックなHバックルで知られる「コンスタンスベルト」もリバーシブル仕様で、片面がブラック、もう片面がブラウンなどの配色で、装いに応じた使い分けが可能です。
中古市場でも人気!ドゥブルセンスの買取相場
廃盤となったドゥブルセンスは、発売当時から現在まで高い人気を保ち、中古市場でも安定した価格で取引されています。弊社の買取サービス「ブラリバ」でも多数の買取実績があり、以下はその一例です。
・ドゥブルセンス36:204,000円
・ドゥブルセンス45:183,200円
※掲載された価格は2025年9月時点のものです。表示価格はあくまでも参考価格であり、実際の買取価格を保証するものではございません。実際の買取価格は、相場・在庫状況や商品の状態に応じて変動いたします。あらかじめご了承ください。
ドゥブルセンスは需要の高いモデルのため、買取市場でも人気です。ドゥブルセンスをはじめ、エルメスのアイテムの売却をご検討の際はぜひ弊社ブラリバの買取サービスをご利用ください。
>>【随時更新】エルメスの買取実績
エルメス「ドゥブルセンス」は実用性抜群のリバーシブルバッグ
ドゥブルセンスは、リバーシブル仕様による多彩なカラーアレンジと高い実用性を備えたエルメスのトートバッグです。普段使いからビジネスまで幅広く対応できる汎用性と、性別を問わず使えるシンプルなデザインが魅力で、現在は廃盤ながら中古市場でも高い人気を維持しています。
現在正規店で手に入れるのは難しいですが、実用性と独自性を兼ね備えたモデルとして中古市場でも高い需要を保ち、長く愛され続けているバッグです。
参考文献
エルメスの認証ガイドとシリアルコード|Yoogi’s Closet
ネオ ダブルセンス 35 バイカラーバッグ|エルメス