
「ロレックスのサブマリーナーを、できれば定価で手に入れたい」そう考える方は多いものの、現実には正規店での購入が極めて難しい状況が続いています。
なかでもサブマリーナーは、ロレックスの中でも人気・資産価値ともにトップクラス。定価で買えること自体が希少とされるモデルです。
ですが、正規店に通うことで購入したいという意思が伝われば、チャンスが巡ってくるかもしれません。ただ通うだけでなく、コツを理解しておくと確率を挙げられます。
そこで本記事では、サブマリーナーを定価で買うのが難しい理由をおさらいし、正規店で手に入れるための具体的なコツを紹介します。
目次
ロレックスサブマリーナーを定価で買うのが難しいとされている理由
ロレックスの代表モデルとして長年高い人気を誇るサブマリーナーですが、近年では「正規店で定価購入するのはほぼ不可能に近い」と言われています。
その背景には、圧倒的な人気と慢性的な供給不足という、2つの大きな要因が存在します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
ロレックスのなかでもトップクラスの人気を誇るため
![]() | ![]() |
左:デイト Ref.16610
右:デイト グリーン文字盤 Ref.116610LV
サブマリーナーは、ロレックスを語るうえで外すことのできないアイコン的存在です。
洗練されたデザインに加え、優れた防水性能や高精度なムーブメントなど、実用性と美しさを兼ね備えた腕時計として、時計愛好家から投資家まで、幅広い層から支持を集めています。
さらに、スポーツロレックスの象徴として知られていることから、年代や性別を問わず高い人気を誇り、入荷してもすぐに完売してしまうという状況が常態化しています。
こうした需要の集中が、「定価では手に入らない」とされる理由のひとつです。
生産数が少なく需要に追いついていないため
ロレックスのサブマリーナーは、熟練の職人による手作業を多く取り入れた高品質な製造工程を維持しているため、大量生産が難しいモデルです。
ロレックスの年間生産本数は公表されていませんが、約10万本にも及ぶと推定されることが多いです。それでも世界中の需要には到底追いついていません。
また、ロレックスはブランド価値を守るためにあえて生産量を絞り、希少性を高めている側面もあります。
このため、需要過多と供給不足が慢性的に続き、正規店での定価購入が極めて困難な状況となっています。
ステンレスモデルは値上げされた後も需要が高く、とくに入手困難
2025年1月に価格改定が行われ、サブマリーナーの主要モデルが約6~7%値上げされました。
2025年更新時点における、主要モデルの定価(税込)は以下のとおりです。
サブマリーナー ノンデイト(124060)
・素材:ステンレススチール
・定価:約1,400,300円
サブマリーナー デイト(126610LN)
・素材:ステンレススチール
・定価:約1,570,800円
サブマリーナー デイト(126610LV)
・素材:ステンレススチール
・定価:約1,648,900円
サブマリーナー デイト(126613LB)
・素材:ステンレス×イエローゴールド
・定価:約2,581,700円
サブマリーナー デイト(126618LB)
・素材:イエローゴールド
・定価:約6,564,800円
なかでも人気の高いステンレスモデルは、値上げ後でも需要が衰えず、正規店での入手がますます困難になっています。
そのため、ステンレスモデルを定価で手に入れるには、事前の情報収集や購入タイミングの見極めが重要になります。
購入確率を上げるためには?サブマリーナーを定価で買う5つコツ
サブマリーナーの定価購入が難しくなっている今、少しでも“買える確率”を上げるには、店舗側に「この人なら販売してもいい」と思ってもらえるような振る舞いや工夫が重要です。
ここでは、定価で買える確率を少しでも高めるために、具体的なコツを5つ紹介します。
ロレックスの正規店に通い続けて、店員との信頼関係を築く
ロレックスの正規店でサブマリーナーを手に入れたいなら、まず大切なのは「真剣に購入を検討している」という姿勢を伝えることです。ただ在庫を尋ねるだけの来店では、店員の印象には残りません。
定期的に足を運び、スタッフとの会話を重ねながら、時計への興味や知識、大切に使いたいという気持ちを自然に伝えていくことが信頼構築のカギです。
たとえば「このモデルにずっと憧れていて、長く付き合いたいと思っている」や「メンテナンスも含めてしっかり管理したい」といった一言が、誠実な印象を与えます。
さらに、挨拶や雑談、相手の話をしっかり聞く姿勢といった基本的なマナーも好印象につながるポイントです。名前を覚えてもらえるようになれば、紹介のチャンスが巡ってくる可能性も高まるでしょう。
執拗に在庫を確認するのはNG!
来店のたびに「今日は在庫ありますか?」と執拗に確認するのは、かえってマイナスの印象を与える可能性があるので注意しましょう。
あくまで丁寧な姿勢で接しつつ、長期的な視点で関係を築いていくことが、結果的に購入への近道となります。
店舗に行くときは、清潔感のある服装を心がける
高級時計を取り扱うロレックス正規店では、顧客の雰囲気やマナーも購入判断の一要素になっているといわれています。
服装もその一環です。たとえば、ジャケットや襟付きシャツなど、シンプルで清潔感のある服装を意識するだけでも印象は大きく変わります。
「この人なら安心して時計を任せられる」と思ってもらえるような、誠実さの伝わるスタイルが理想です。
ゆっくり会話するために、空いている時間帯に行く
来店するタイミングも、買える確率を左右するひとつの要素です。おすすめは、混雑している時間帯よりも、比較的落ち着いている平日の午前中や、夕方の閉店間際に来店することです。
空いている時間であれば、店員さんとの会話もじっくりできるため、関係性を築くチャンスにもなります。
あらかじめロレックスの購入実績があるとなお有利
ロレックスを過去に正規店で購入した実績があると、「信頼できる顧客」として認識されやすくなります。
とくに、スポーツモデルは入手難易度が高いため、はじめはデイトジャストやエクスプローラーなど、比較的入手しやすいモデルを選ぶ人も多いです。
無理に複数本を購入する必要はありませんが、ロレックスの哲学や品質に理解を示す行動が、次回以降の購入に好影響を与えることもあるでしょう。
複数店舗を回って在庫状況を比較するのもおすすめ
定価購入の確率を少しでも上げたいなら、正規店を複数回ることも有効な手段です。
店舗ごとに入荷状況や接客スタイルが異なるため、「先ほどの店舗にはなかったけど、こちらの店舗には入荷していた」といったケースも珍しくありません。
いわゆるロレックスマラソンと呼ばれる、複数店舗を巡る行動は、タイミングさえ合えば希望モデルを定価で購入することができます。
複数店舗を効率よく回る「ロレックスマラソン」については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。
>> 【週明けが狙い目?】ロレックスマラソンを完走するコツや注意点などを大公開!
定価で買える確率を推定!その割合はわずか「約4%」
編集部では各種データと業界関係者の証言をもとに、「サブマリーナーデイト(126610LN)を定価で購入できる確率は約4%」と推定しました。
【計算式】
購入確率(%)=(1店舗あたりの年間入荷数 ÷ 年間購入希望者数)× 100
【前提となるデータと根拠(126610LNの場合)】
・日本ロレックス公式サイトより、2024年における日本国内の正規店数は「約50店舗」
・ロレックス社が公認した書籍『Oyster Perpetual Submariner: The Watch That Unlocked the Deep』を参考に分析したとされるRedditの投稿より、2020年における126620LNの世界年間生産数は「約177,328本」。また、2024年においても同様の生産数だと仮定する
・統計情報サイト「World Population Review」では、2024年における世界のロレックス市場で、日本は約7%程度のシェアを持つと推定されており、そこから126610LNの日本入荷数を「約177,328本 × 7% = 12,413本」と仮定する
・日本国内の約50店舗にそれぞれ入荷するとした場合、正規店1店舗あたりにおける126610LNの年間入荷数は「12,413本 ÷ 50 = 約248本」
・年間の購入希望者を毎月500人、年間6,000人と仮定した場合、購入確率は、「(約248本 ÷ 6000) × 100 = 約4.13%」
※あくまで参考数値として、2024年時点の各種データを用いた推定であり、実際の割当数は地域や店舗によって異なる可能性があります。
※この数値は「日本国内の正規店における年間入荷本数」と「年間の購入希望者数」という構造的関係に基づくものです。
※ロレックスは需要と供給のバランスを保つため、意図的に供給を制限している可能性もあります。
※正確な情報を得るためには、正規販売店への直接の問い合わせが推奨されます。
参考
World Population Review「Watch Brands by Country」2024年
Reddit「Rolex finally publishes production numbers」
あくまで推定値ですが、ロレックスの供給戦略や流通構造を考慮すると、4%前後という数字には一定の合理性があると考えられます。
希少なサブマリーナーを、納得のかたちで手に入れるために
ロレックス サブマリーナーは、圧倒的な人気と希少性ゆえに、定価での入手が極めて困難なモデルです。しかしながら、正規店との信頼関係を大切にし、誠実な姿勢で時計と向き合うことで、購入できる可能性が高まります。
また、どうしても早く手に入れたいという方には、信頼のおけるリユース市場を活用するという選択肢もあります。状態の良い個体と出会えることもあるため、慎重に情報を見極めながら検討するとよいでしょう。
いずれにしても、サブマリーナーは“一生モノ”と呼ぶにふさわしい傑作です。だからこそ、じっくりと自分に合った方法で手にすることが、長く愛用するための第一歩となります。