本物の翡翠の見分け方とは?色や光・質感で偽物を見抜く実践テクニック

翡翠(ひすい)は、日本でも古来より愛されてきた美しい天然石。とくに新潟県・糸魚川で産出される「糸魚川翡翠」は、世界でも高く評価される希少な硬玉(ジェダイト)として知られています。

しかし、そんな翡翠にはよく似た別の石や、ガラス・プラスチックといった模造品も多く出回っており、本物かどうかを見分けるのは簡単ではありません

この記事では、翡翠と似た鉱物や模造石の特徴と、見分け方のコツを具体的に紹介していきます。
自宅に翡翠と思われる原石や、ネックレス・ブレスレットなどのアクセサリーがある方は、ぜひ参考にしてください。

本記事で紹介している翡翠の見分け方は、あくまで一般的な特徴や傾向に基づく参考情報です。実際の鉱物の種類や価値の正確な判定には、専門の鑑別機関や宝石鑑定士による検査を推奨します。

そもそも“翡翠(ひすい)”とは?

「翡翠」は、深い緑色や滑らかな質感から古来より人々を魅了してきた天然石です。翡翠とひと口に言っても、実際には鉱物学的に2つの種類が存在します。

  • ジェダイト(硬玉):モース硬度6.5〜7と硬質で緻密で光沢があり、宝石としての価値も高い。新潟県の糸魚川産ジェダイトは特に有名。
  • ネフライト(軟玉):モース硬度は6前後。ジェダイトに比べるとやや軟らかく光沢や密度もやや劣るため、宝石としての評価は下がる傾向にある。

    どちらも繊維状または粒状の結晶が絡み合う構造をしており、この構造が翡翠特有の“しっとりとした光沢”や“ひんやりとした質感”を生み出しています。

    ジェダイト・ネフライトの違いや価値をもっと詳しく知りたい方は「翡翠の種類」の記事もあわせてご覧ください。

    一見似ていても、実は別物?「翡翠風」の石に注意!

    そんな翡翠ですが、見た目が似ているだけで中身がまったく異なる“翡翠風の石”も多く出回っています。具体的には、以下のようなものです。

    • 他鉱物(例:蛇紋岩、アベンチュリンなど)
    • ガラス・樹脂・プラスチックなどの模造品

    これらは翡翠に似た色や質感を持っていても、鉱物の組成・硬度・光沢・比重などが異なるため、価値も大きく異なります

    こうした「翡翠風の石」をどのように見分ければよいか、具体的な方法をくわしく紹介します。


    キツネ石にアベンチュリン…翡翠原石と似ている鉱物の見分け方

    緑色のジェダイト(硬玉)

    海岸で拾える原石の中には、翡翠と間違われる石が多くあります。その中でも代表的なのが、「キツネ石」と呼ばれる蛇紋岩(じゃもんがん)などの鉱物です。翡翠に似ているものの、まったくの別物です。

    以下に、代表的な類似石を比較表にまとめました。

    翡翠に似た鉱物の一覧表

    石の名前見た目の特徴翡翠との違い
    蛇紋岩(キツネ石)深緑~黒緑で表面が滑らかモース硬度2.5~4で非常に軟らかく、比重も軽い。艶も翡翠ほど出ない
    ネフライト緑がかった灰色~濃緑色翡翠に近いが、光沢が弱く、結晶構造が異なる
    アベンチュリン明るい緑でラメのような輝きガラス光沢ではなくキラキラしており、軽い
    グリーンクォーツァイト均一な緑色、半透明透明度が高すぎる。翡翠の繊維状構造はない

    これらの鉱物は見た目こそ翡翠に似ていますが、鉱物としての性質や特徴はまったく異なります。では、こうした石と翡翠をどのように見分ければよいのでしょうか?

    翡翠と類似鉱物を見分けるポイントは、おもに4つあります。

    ① 重さ・密度をチェック

    翡翠(とくにジェダイト)の密度を表す比重は約3.3と高く、手に持ったときにずっしりとした重みがあります。

    対してアベンチュリンや蛇紋岩などの類似石は比重が約2.6~2.7と低く、明らかに軽く感じられることが多いです。

    ② キズのつきやすさで見極める

    ナイフや釘など硬いもので軽くこすってみるのも有効な手段です。翡翠はモース硬度6.5〜7とかなり硬く、簡単には傷がつきません

    いっぽうで、蛇紋岩などはモース硬度2〜4程度と非常に軟らかく、簡単に削れてしまいます。

    ③ 表面の質感とツヤに注目する

    本物の翡翠は緻密で、ガラスのような艶があります。指で触ると滑らかで、しっとりした感触が特徴。

    それに対し、類似石はざらつきがあったり、マットな質感のものが多く、光沢感も翡翠に比べて劣ります。

    ④ 光の透け方で判断する

    LEDライトなどの強い光で原石の縁を照らしてみましょう。翡翠は一部がうっすらと透ける“半透明”で、柔らかく光を通します。蛇紋岩やネフライトはほとんど光を通さず、アクチノライトなどは繊維方向に強く光が抜けることがあります。

    光の透け方にも注目すると、見分けの大きなヒントになります。


    翡翠とガラス・プラスチックなどの模造石の見分け方

    ネックレスやブレスレットなどで使われる「翡翠風」アクセサリーには、模造石が使われていることがよくあります。

    以下におもな素材を一覧で整理しました。

    模造翡翠の代表例と違い

    名称おもな素材翡翠との違い
    グラスジェイド(ガラス翡翠)ガラス鮮やかで均一な色/内部に気泡あり
    樹脂翡翠(レジンジェイド)樹脂非常に軽い/温かみがある/着色自由
    プラスチック翡翠プラスチック表面が柔らかく傷つきやすい/比重が極めて低い
    グリーンセラミック陶器・焼き物重さはあるが透明感なし/割れやすい

    こうした模造翡翠は、見た目では本物と見分けがつきにくいこともありますが、実は素材の性質を知れば簡単に見抜けるポイントが存在します。

    翡翠と模造石を見分けるためのおもなチェックポイントは、以下の4つです。
    順番に確認していきましょう。

    ① 重さを比べる

    翡翠は比重が約3.3と高く、見た目よりも重く感じます。

    いっぽう、プラスチックや樹脂は非常に軽く、手に取るとすぐに違いがわかります。ガラスでも比重は2.5〜2.7程度。持ち比べると差は歴然です。

    ② LEDライトで内部を観察する

    LEDライトを当てると、ガラス翡翠には内部に気泡が見えることがあります。翡翠には気泡は存在しません。

    また、プラスチックは均一な色で透け方が人工的。翡翠は独特な半透明で、奥行きを感じるのが特徴です。

    ③ 磁石の反応をチェック

    翡翠そのものは磁石に反応しませんが、模造品によっては金属粉などが混じっており、磁石に反応することもあります。

    簡易チェックとして磁石を近づけてみるのもひとつの方法です。

    ④ 音と温度でも確認できる

    本物の翡翠同士を軽くぶつけると「チン」と澄んだ音が鳴りますが、プラスチックや樹脂では「コツコツ」と鈍い音がするだけです。

    また、翡翠は触ったときにひんやりと冷たさを感じますが、模造品はすぐに体温になじみます。


    自宅にある翡翠、売却を考えるなら“見分け方”がカギに

    翡翠は、天然かどうか、種類や加工の有無によって価値が大きく変動する天然石です。

    とくに、以下の2点を見極められるかどうかが重要です。

    • ジェダイト(硬玉)とネフライト(軟玉)の違い
    • ガラスやプラスチックなど模造品との違い

    これらを正しく見極めることが、損せず売却するための第一歩です。たとえば、価値があると思っていたネックレスやブレスレットが実は模造品だった、というケースも少なくありません。

    逆に「よくわからない原石」が、琅かん(最高級の翡翠)だったということも。もし不要になった翡翠のアクセサリーや、使っていない原石・コレクションがあれば、専門の買取店に見せてみることをおすすめします。

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    翡翠の見分け方を知って正しく価値を見極めよう

    翡翠の見分け方は一見難しく感じるかもしれませんが、

    • 重さ(比重)
    • 光沢と表面の質感
    • 光の透け方やルーペ観察
    • 冷たさや音の違い

    など、いくつかのポイントを押さえることで、ある程度は自分でも判断できるようになります。

    とはいえ、最終的な鑑別や価値判断はプロに任せるのが安心です。
    見分け方を知って正しく価値を理解すれば、大切な翡翠をより良い形で活用・売却することができるでしょう。

    参考文献
    『宝石の見分け方と鑑別法』(諏訪恭一 著/世界文化社)

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