
「エルメス(HERMES)」の歴史の中で、異色の存在として語られるバッグが「ビニールケリー」です。透明なビニール素材で作られ、「幻のエルメスバッグ」とも呼ばれています。
この記事では、ビニールケリーとはどんなバッグなのか、なぜ高い価値を持つのかを解説します。2026年最新の中古販売価格についても紹介しているので、購入を考えている方もぜひチェックしてみてください。
※アイキャッチ画像:ブラリバで買取・仕入れをし、自社で撮影したアイテムを使用しています。
※本記事に記載された内容は、弊社の所持する独自情報をもとに編集・推定したものであり、ブランド公式の情報ではありません。あくまで参考情報としてご活用ください。
※記事に記載されているのは2026年9月時点の内容です。
※本記事で使用している画像は、弊社で撮影したオリジナル画像、または商用利用可能なフリー素材を使用しています。
※当社は独立した買取・販売業者であり、エルメスの正規代理店ではありません。
目次
エルメス「ビニールケリー」は“記念品”だった
実はエルメスのビニールケリーの始まりは、1996年のショーでVIP招待状として配布された記念バッグです。
当時フランスではテロ事件が続き、厳重な手荷物検査が必要とされていました。そんななか「中身が透けて見えるバッグ」を招待状にしたという、エルメスならではの実用性とユーモアが感じられる演出でした。

その後、1997年と1998年に開催されたエルメス160周年記念「不思議の国、エルメスへの旅」展で限定販売され、異色な販売ルートから「幻のバッグ」として知られています。
展覧会のために製作された記念品のため、エルメスの自社製造品ではなく、エルメスのブティックでも取り扱いはありませんでした。正規のケリーとは異なるものの、希少性と独自性から二次流通市場などでは高い価値を誇ります。
ビニールケリーはクリア・オレンジの2色展開!それぞれの特徴
エルメスのビニールケリーは、1997年と1998年に年ごとに異なるカラーで展開されました。
1997年にクリアモデル、1998年にブランドを象徴するオレンジモデルが登場しています。
| 発売年 | 1997年 | 1998年 |
|---|---|---|
| カラー | クリア | オレンジ |
| サイズ | 幅40cm×高さ27cm×奥行11.5cm | 幅40cm×高さ27cm×奥行11.5cm |
| 素材 | ビニール | ビニール |
| 印字 | SOUVENIR DE L’EXPOSITION 1997 HERMES UN VOYAGE AU PAYS DES MERVEILLES | SOUVENIR DE L’EXPOSITION 1998 HERMES UN VOYAGE AU PAYS DES MERVEILLES |
| 市場価値 | 状態の良いものは少なく、変色しやすい傾向がある | 劣化しにくい色味でやや高値傾向 |
相場としては、ビニールの変色の影響を受けにくいオレンジのほうが、高値で取引される傾向にあります。
ビニールケリーの発売当時の定価・中古販売価格を比較
ビニールケリーは、記念品として製造された当時、比較的手に取りやすい価格帯でした。しかし現在では、コレクター需要の高まりにより定価を大きく上回る価格で取引されることが多いです。
ビニールケリーの発売当時の定価は?
「不思議の国、エルメスへの旅」で販売された際の価格は正確には公表されていませんが、当時の関係者の証言などから、5,000円前後だったとされています。
エルメスの代表作・ケリーバッグは、ミニサイズの「ケリー20」でも定価150万~200万円。ビニールケリーが異例の商品であることが分かります。
ビニールケリーの中古販売価格は?
2026年9月現在、ビニールケリーは中古市場において20,000〜50,000円前後で取引・販売されるケースが多いです。
例えば、写真のクリアカラーのビニールケリーは弊社通販サイトで「Bランク(使用感はあるが、目立つ汚れが少ない中古品)」で26,290円で販売されています。

※記事更新日時点の弊社独自取材による価格です。価格は予告なく変更される場合があります。
状態などの条件によっては、10万円を超える個体も。今後もコレクション価値が上昇すれば、相対的に取引価格も上がることが推測できます。
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ビニールケリーと本家ケリーの違い

ビニールケリーと本家ケリーの違いは、以下のとおりです。
| ビニールケリー | 本家ケリー | |
|---|---|---|
| 製造目的 | 展示会用の記念品として制作 | 正規販売される高級バッグ |
| 製造場所 | エルメス社外の製造所 | フランス・パリのエルメス工房 |
| 素材 | ビニール素材 | 高級レザー(トゴ、エプソンなど) |
| エルメス保証 | 保証対象外 | 保証対象、メンテナンスサービスあり |
| 市場での扱い | ノベルティ扱い(正規製品ではない) | 正規エルメス製品 |
本家ケリーは、熟練職人がパリの工房で一つひとつ仕立てる高級レザーバッグ。エルメスを象徴する人気バッグで、購入制限もあり限られた人しか手に入れることのできないハイエンドモデルです。
いっぽうビニールケリーは、正規の工房で製造された製品ではなく、あくまで展示会の記念。工場での受注生産だと考えられます。
そのため、正規のエルメス製品とは異なり、直営店でのアフターサービスを受けることも難しい可能性があります。
色別!ビニールケリーのおすすめコーディネート
エルメスのビニールケリーは、透明感のある素材や鮮やかなカラーを活かすことで、コーディネート全体の印象を引き立ててくれるアイテムです。ここでは、そんなビニールケリーを使ったおすすめのコーディネートを紹介します。
クリアのビニールケリーでシンプルコーデにひとさじの“シャレ感”をプラス
クリアカラーのビニールケリーは、Tシャツ×デニムなどのワンツーコーデにひとさじの“シャレ感”をプラスしてくれる優れモノ。
中に忍ばせるスモールレザーグッズやコスメの配色まで計算するのが、このバッグを制するカギです。
クリア素材=サマーアイテムと思われがちですが、あえて冬の重厚なコートスタイルに合わせ、リッチなファーポーチや鮮やかなグローブを透かせて見せる“ハズし”のテクニックもおすすめ。アイデア次第でシーズンレスに活躍してくれます。
オレンジタイプは引き算コーデでバッグを主役に!
ビニールケリーのオレンジは、エルメスのシグネチャーカラー。アイコニックなカラーを最大限に引き立てるなら、あえてモノトーンやベージュ、グレーなど色味を抑えたスタイルに。バッグの存在感がいっそう際立ち、引き算を意識したバッグ主役のコーディネートが完成します。
クリーンなホワイトやさりげないゴールド系の小物をリンクさせることで、鮮烈なオレンジに軽やかさが宿り、全体のバランスが都会的でモダンな印象になります。
「ビニールケリー風」に注意!ブラリバ査定士のチェックポイント
近年、ビニール素材でケリー型を模した「ビニールケリー風」のコピー商品が流通しています。
ここでは、ブランド買取専門店「ブラリバ」の査定士が基準外品を見分けるためにチェックしているポイントを3つ紹介します。
「フリマアプリやリユースショップでビニールケリーの購入を検討している」または「ビニールケリーを売却したい!」と考えている方はぜひ参考にしてください。
- バッグ中央の金具
- サイズ感が違う
- 展示会のプリントがない
1. バッグ中央の金具

バッグ中央の金具は、重要なチェックポイントです。基準内品は通常、金具の大きさが均一。質感や光沢にも高級感があります。
いっぽうで、金具が小さめだったり、ネジ部分の刻印が浅く、雑な仕上がりだと、基準外になることがあります。また、金具が傾いていたり、固定が甘い…といったケースも。
2. サイズ感が違う

サイズ感も要注目。正規のビニールケリーは、幅約40cm×高さ約27cm×奥行約11.5cmの1サイズのみで展開されているため、規定の寸法から明らかにかけ離れている個体は、基準外と判定されます。
3. 展示会のプリントがない

ビニールケリーには「SOUVENIR DE L’EXPOSITION 1997(1998) HERMES」と「UN VOYAGE AU PAYS DES MERVEILLES」という2つのフランス語フレーズが、バッグ表面に白文字で印字されています。
これら2つのフレーズの表記が欠けていたり、綴りに誤りがあったりする場合は基準外となる可能性が高いです。
ただし、1996年に配布されたVIP招待状モデルにはこの展覧会用プリントはありません。
ビニールケリーはエルメスのユーモアが生んだ幻のバッグ
エルメスのビニールケリーは、伝統と革新を併せ持つエルメスならではの“遊び心”から生まれた、極めて希少なバッグです。
透明なビニール素材というユニークさと、ケリーの象徴的なフォルムで、現在ではコレクターズアイテムとして高い評価を受けています。
入手難易度は高いものの、まだ比較的手に取りやすい価格帯で出会える可能性もあります。もし、ビニールケリーを手に入れたい方は、この記事の情報を参考にブランドリユース店などをチェックしてみてはいかがでしょうか。


