
Hermes(エルメス)のエブリン(エヴリン)は、1978年に誕生したショルダーバッグ。「H」マークのパンチングが特徴的で、人気が高く手に入りにくいアイテムとして親しまれています。
本記事では、エブリンの魅力からサイズ比較、購入方法まで詳しく解説いたします。
目次
エルメスのエブリンとは?40年以上愛される名作バッグ
エブリンは誕生から45年以上にわたり、多くのファンに愛され続けてきた名作ショルダーバッグです。特徴的な「H」のパンチングと、カジュアルさの中に上品さを兼ね備えたデザインが魅力です。
名前の由来は、エルメスの乗馬部門責任者だった Évelyne Bertrand(エヴリン・ベルトラン)が1978年にデザインし、彼女の名前にちなんで名付けられたことによります。
エルメス エブリンの3つの特徴と魅力
エルメスのエヴリンには、以下のような特徴があります。
1. 馬具工房から生まれた機能美
エブリンは元々馬のブラシなどの馬具用品全般を運ぶために考案されたモデルを再解釈したバッグです。蹄鉄とは馬のひづめを保護するU字型の金具のことで、エブリンの形状は馬の蹄鉄(ていてつ)の形状を参考にしています。
エルメスが高級馬具工房としてスタートした歴史を物語る、機能美を追求したデザインといえるでしょう。
2. アイコニックな「H」パンチング
エブリンの最大の特徴は、バッグ前面に大きくパンチングされた「H」マークです。
このデザインは単なる装飾ではなく、蹄鉄を運ぶ際の通気性確保という実用性から生まれました。現在ではエルメスのアイコンとして、遠くからでもエブリンと分かる象徴的なデザイン要素となっています。
3. 軽量性と収納力を両立した実用設計
エブリンは実用性を最優先に設計されているため、軽量性と耐久性、収納力のバランスが絶妙です。馬具用として作られた背景から、高品質な素材を使用しながらも驚くほど軽量に仕上げられています。
また、内側の大容量ポケットや背面のファスナーポケット(年式により異なる)など、収納面でも計算し尽くされた設計が魅力です。
次の章では、エブリンの素材やサイズについてさらに詳しく解説いたします。
エルメス エブリンの人気素材TOP3
エブリンに使用されるおもな素材は以下の3種類です。それぞれ異なる特徴を持ち、用途や好みに応じて選ぶことができます。
- トリヨンクレマンス
- ヴォーエプソン
- トワルアッシュ
どの素材も耐久性に優れ、長期間愛用できる品質を誇ります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
クレマンスレザー
トリヨンクレマンスは、エルメスのなかでもとくに人気が高く、エヴリンのほかバーキンやピコタンにも用いられている革素材です。エルメスの定番素材「トゴ」と比べると、厚みがあり、しっかりとした質感が特徴です。擦れにも強く、使うほどに柔らかく馴染むため、長期的に愛用するのに適しています。
エルメスではおもに大きめのバッグや旅行バッグに使われることが多く、他ブランドではルイ・ヴィトンの財布にも採用されるなど、耐久性と実用性を兼ね備えた素材として広く認知されています。
ヴォーエプソン
ヴォーエプソンは、革の表面に模様や型押しをつけるエンボス加工されたカーフスキンです。軽量で型崩れしにくく、長期間使用してもきれいな形を保ちやすいのが特徴。
さらに、表面の凹凸模様が光を柔らかく反射し、上品で高級感のある印象を与えてくれます。水シミや擦れにも比較的強いため、日常的に安心して使える素材です。
トワルアッシュ
トワルアッシュ(Toile-H)は、エルメスで最もベーシックなコットン素材です。名前はブランド名「HERMES」の頭文字「H」に由来し、「トワル」はフランス語で木綿や麻の織物、「アッシュ」はフランス語で「H」の発音を意味します。
軽やかなコットン素材のためカジュアルに使いやすく、ほかの革素材に比べて価格も抑えめです。そのため、初めてエルメスを購入する方や、気軽に取り入れたい方にとくにおすすめの素材といえます。
エルメス エヴリンで人気のカラーバリエーション
エルメス エヴリンの魅力のひとつは、豊富なカラーバリエーションです。実際には数百種類もの色が存在しますが、ここではとくに人気の高いカラーをご紹介します。
ブラックはどんなコーデにも合う王道の万能カラー
ブラックは流行に左右されない王道の色。フォーマルな装いにもカジュアルにもなじみ、エヴリンの実用性を最大限に引き立てます。
耐久性の高いトリヨンクレマンス素材との相性もよく、日常的に長く愛用できるカラーです。初めての一つとして安心感のある選択肢といえます。
エルメスオレンジはブランドを象徴する華やかな色
エルメスといえば、鮮やかなエルメスオレンジです。ショッパーやボックスの色としても有名で、持つだけで「エルメスらしさ」を強くアピールできます。
シンプルな服装のアクセントにもぴったりで、特別感を求める方に人気の色です。
エトゥープは上品で定番のグレージュ系
エルメスカラーの中でも不動の人気を誇るのがエトゥープ。グレーとベージュが混ざり合ったニュアンスカラーで、落ち着いた印象を与えながらも洗練された雰囲気を演出します。
シーズンを問わず使いやすく、年齢を問わず圧倒的な支持を集めています。
ブルー系は華やかで個性豊かなバリエーション
エルメスのブルー系はとくに多彩で、イズミールブルー、ブルーオーシャン、デニムブルー、サファイアブルーなど豊富なカラー展開が魅力です。
明るいブルーは夏の装いに映え、深みのあるブルーは秋冬にシックな印象を与えてくれます。シンプルなデザインのエヴリンだからこそ、色味で遊ぶ楽しさを味わえるでしょう。
キャメル・ブラウン系は普段使いに適した色味の柔らかさ
ゴールドやコニャックなどのキャメル・ブラウン系は、肌なじみがよく柔らかい印象を与えます。普段使いしやすく幅広い年代に人気なので、とくに初めてエヴリンを選ぶ方におすすめのカラーです。
エルメス エブリンⅠ・Ⅱ・Ⅲの違いを徹底比較
エヴリンのモデルは全部で3種類に分かれており、それぞれ性能が異なります。
エヴリンⅠ
「エヴリンⅠ」は、1978年に登場したモデル。ショルダーを調整することができず、最新のモデルのように外部にポケットはありませんでした。
エヴリンⅡ
「エヴリン Ⅱ」が製造されたのは2005年以降。この頃からエヴリンのサイズのなかで一番小さいサイズ「TPM」以外は外部ポケットが備え付けられ、収納性がアップしました。
エヴリン Ⅲ
「エヴリンⅢ」では、外部ポケットのほかにもショルダーストラップの調整ができるようにキャンバスストラップが備えられ、使いやすさが各段にアップしています。
上記を簡単にまとめると、「エヴリンⅠ」はシンプルなデザイン、一部を除き「エヴリンⅡ」から外側ポケットが付き、「エヴリンⅢ」で調整するためのキャンバスストラップが備えられた…と覚えておきましょう。
シンプルでデザインが好みであれば「エヴリンⅠ」で、機能性を重視するなら「エヴリンⅡ」や「エヴリンⅢ」を購入することをおすすめします。
エルメス エヴリンのサイズは全部で5種類
エルメス エヴリンのサイズ展開は現在、新品・中古で確認できるサイズは全部で5種類あります。サイズごとに用途や定価が異なるので、自分に合っているものを選びましょう。
※サイズはデザインによって変わる場合があります。また、同サイズでも色や素材によって定価や重さは異なります。
TPMはトレンドのミニバッグ
「TPM」は横16cm×高さ18cmで、ミニ財布やスマートフォン、ハンカチなど必要最低限の小物が収まるミニマムなサイズ感。
また、5種類のなかでも最小で比較的最近作られたモデルです。キャッシュレス派など、普段から小さめのバッグを使用している人におすすめ。
- 寸法(cm):横16cm×高さ18cm×マチ5cm
- 重さ:200~300g
- 定価例:表記なし
PMは最も人気のスタンダードサイズ
「PM」は長さ29cm×高さ30cmで、500mlのペットボトルやA4サイズの資料がぴったり収まり、使い勝手が良いのが魅力。デートやちょっとした旅行まで幅広いシーンで活躍する万能サイズです。
- 寸法(センチ):横29cm × 高さ30cm × マチ10cm
- 重さ:400~500g
- 定価例:表記なし
MMは日常使いにちょうどいいサイズ
「MM」は横30cm×高さ32cmほどで、PMより少し大きく、GMよりはコンパクトな中間サイズです。
500mlペットボトルや長財布、ポーチのほか、薄めの書類やタブレットも収納できるため、オン・オフ問わず活躍できる実用性の高さが特徴でした。現在は廃盤扱いですが、中古市場では根強い人気があり、状態の良いものは安定して取引されています。
- 寸法(センチ):横30cm × 高さ32cm × マチ10cm
- 重さ:500~600g前後
- 定価例:表記なし
GMは収納力重視の方へおすすめ
「GM」は横33cm×高さ31cmで、日用品のほかにタブレット端末や大きめの資料などを入れることができるサイズ感です。PMよりもやや大きめなので、「PMバッグに物が収まるか心配…」という方はGMを選んでおくと安心です。
- 寸法(センチ):横33cm×高さ31cm×マチ10cm
- 重さ:600~800g
- 定価例:表記なし
TGMはメンズでも満足できるサイズ
「TGM」は5種類のなかで最も大きいサイズです。重さや価格に関しては表記されていませんが、大きさから考えると1kg以上あり、価格は一番安いモデルでも70万円台からなのではないかと予想されます。
大きなサイズであることから男性に似合うサイズといわれているため、長身のメンズや大きめバッグをコーデのアクセントにしたいという方にもおすすめです。
- 寸法(センチ):横40cm×高さ38cm×マチ10cm
- 重さ:表記なし
- 定価:表記なし
エルメスのエブリンが買えない3つの理由
2025年現在、エルメス エブリンは日本の正規店では入手が非常に困難な状況が続いています。その理由は以下の3つです。
①エルメスの希少性維持戦略
エルメスは意図的に生産量を制限し、ブランド価値を維持しています。全て職人の手作業のため、大量生産は物理的に不可能です。
②厳格な購入条件
正規店では購入履歴や顧客ランクが重視され、初回購入でエブリンを入手するのは極めて困難です。
③日本市場での異常な人気
日本はエルメスの世界最大市場の一つで、需要に対して供給が圧倒的に不足しています。
この状況から「エルパト」(エルメス パトロールの略)という言葉も生まれ、店舗を定期的に巡回する愛好家も多数存在します。
以下の記事では、エルパトについて詳しく紹介しています。あわせてお読みください。
>>エルパトのコツやはじめ方についてはこちら
エルメス エヴリンを確実に手に入れるならECモールで中古品を購入するのがおすすめ!
正規店での購入が難しいエルメス エヴリン。「どうしてもほしい!」という方は、中古品を取り扱ってるECモールで購入するのがおすすめです。修理やその他メンテナンスなどの保証がついている業者が多く、フリマアプリや個人間のオークションサイトよりも安心して購入することができます。
エヴリンは希少価値が高いため、定価で購入することはなかなか難しいですが、なるべく早く、確実にほしいという方におすすめです。
購入を検討している方は、ぜひ弊社が運用している「リマルク」をご活用ください。エルメスに詳しい専門の査定士が価値を見極めたエルメス エヴリンのみを取り扱っています。定期的に入荷しているので、下記URLから在庫状況をチェックしてみてください。
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エルメス エヴリンは見かけたら即購入がおすすめ!
エルメスのエヴリンは、誕生から45年以上にわたり世界中で愛され続けてきた名作ショルダーバッグです。象徴的な「H」パンチングと高い実用性を兼ね備え、軽やかさと上品さを両立する唯一無二の存在といえるでしょう。
現在、正規店での入手は極めて困難ですが、中古市場では状態や年式によって価値ある一品に出会える可能性があります。とくに現行Ⅲモデルだけでなく、ⅠやⅡもコレクターから高い需要がありますので、見かけた際は即購入する決断が必要です。
購入を検討している方は、本記事で解説したポイントを参考に、自分に最もふさわしいエヴリンを計画的に探してみてください。希少な在庫に巡り合えたときこそ、迷わず行動することが一生ものの出会いにつながります。