金の比重(密度)と重さをわかりやすく解説!K18など純度別一覧から計算式まで紹介

金がずっしりと重く感じられるのは、他の金属よりも比重(ひじゅう)が高いためです。
この“重み”は、金の価値や希少性を裏づける物理的な特性でもあります。

本記事では、金の比重とは何かをわかりやすく解説し、密度との違い・計算方法・品位(K数)による比重の差、さらに他の金属との比較や、実際に比重を測定する方法まで紹介します。


金の比重とは?密度との違いをわかりやすく解説

金の物性を語るうえで欠かせないキーワードのひとつが「比重」です。
比重とは、同じ体積の基準となる物質に対して、ある物質がどれだけ重いかを示す指標のこと。基準物質として、1気圧、摂氏4度の純粋な水が使われます。

比重を求める数式は、次のようになります。なお比重は「物質の密度と水の密度の比」で表されるため、単位はありません。

比重=物質の質量÷同体積の水の質量

ここでよく混同されるのが、「密度」と「比重」の違いです。
両者は似た意味で使われますが、正確には違います。

  • 密度(g/cm³):その物質1cm³あたりの重さ
  • 比重:その物質の密度を水の密度(1 g/cm³)で割った“比較値”

金は主要な金属の中でもとくに比重が高く、その数値が19.32です。これは、1cm³の金が19.32gの質量を持つことを意味し、水(比重1)と比べると約19倍の重さに相当します。

このように、比重は「どれだけ密に原子が詰まっているか」を示す重要な数値です。では、この比重を使って実際に金の重さを計算する方法を見てみましょう。


比重からわかる金の重さの計算方法

比重の仕組みを理解すると、「同じ体積の金属でもなぜ重さが違うのか」を数値で確認できます。

金の重さ(質量)は、次の計算式で求められます。

質量(g)=密度(g/cm³)×体積(cm³)

たとえば、1cm³の純金(K24)は密度19.32g/cm³(比重19.32)に相当するため、重さは19.32g。同じ体積でも、K18(密度約15.6g/cm³)なら約15.6gとなります。

つまり、見た目が同じ大きさでも、素材が違えば重さも変わるということです。
この違いこそが、ジュエリーの質感や価値を左右する重要なポイントです。


【純度別】金の比重(密度)一覧

ジュエリーに使われる金の多くは、柔らかすぎる純金(K24)ではなく、強度を補うために銀や銅などを混ぜた合金(K金)です。

この“混ぜる金属”の種類と割合によって、硬さ・色合い・そして比重が大きく変わります。
つまり、同じ「金」でもK数(カラット数)によって重さの感じ方が異なる
のです。

以下の表では、代表的なK金ごとの金含有率と比重の目安をまとめました。

※表の数値は「比重(密度)」を示しています。比重は密度を水の密度(4℃で約1 g/cm³)で割った値で単位はありませんが、実務上は密度(g/cm³)と同じ値として扱います。

品位金含有率色味の特徴比重(密度)
K24(純金)99.9%鮮やかな黄色。最も濃く、いわゆる「黄金色」。加工は可能だが硬度が低く傷つきやすいため日常装用には不向き。19.32
K2291.7%やや赤みを帯びた濃い金色。金貨などで見られる深みのある色合い。約18.3
K1875.0%明るく落ち着いた黄色。ジュエリーで最も一般的な色味。約15.2〜15.9
K1458.5%淡いイエローまたはピンクがかった色調。カジュアルな印象。約13.0〜14.0
K1041.7%白っぽく、控えめなトーン。ホワイトやピンク系にも仕上げやすい。約11.0〜12.5

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金に他の金属を混ぜたすべての「割金(わりがね)」は、その配合によって比重が微妙に異なります。
割金とは、純金に銀(Ag)・銅(Cu)・パラジウム(Pd)・ニッケル(Ni)などを加えて強度や色味を調整した合金のことです。

この「何をどれだけ混ぜるか」という割合の違いが、金属の密度(比重)にも直接影響します。

代表的な割金の比重は以下の通りです。

  • イエローゴールド(Au+Ag+Cu):約15.5
  • ホワイトゴールド(Au+PdまたはNi):約14.0〜16.0
  • ピンクゴールド(Au+Cu多め):約15.0前後

Pd(パラジウム)を多く含むホワイトゴールドはやや重く、Ni(ニッケル)を多く含む場合は軽めになる傾向があります。

このように、同じK数でも配合金属の種類や比率によって“重さの実感”が変わるのが金合金の特徴です。


金とその他金属の比重(密度)を比較

ここでは同一体積で見たときの“重さ(=密度)”の違いを実感できるよう、代表的な金属を比較します。

以下に、貴金属の密度(比重)の一覧を紹介します。

金属名比重(密度)(g/cm³)特徴
白金(Pt)21.45ジュエリーで用いられる主要貴金属の中では、最高水準の密度。重厚感と安定性に優れ、変色しにくい性質から高級ジュエリーや工業触媒に使用される。
金(Au)19.32比重が非常に高く、同体積でも他金属より重い。密度の高さが“ずっしり感”を生み、希少性と価値の象徴とされてきた。純金は化学的に安定。いっぽうでK金は合金成分により変色する場合がある。
銀(Ag)10.5比重は金の約半分で軽めだが、柔らかく加工しやすい。高い反射率と導電性を持ち、装飾や工業用に広く使われる。
銅(Cu)8.96比重は中程度で、合金に混ぜると強度と色味を補う。K18やピンクゴールドなどの素材としても重要。
鉄(Fe)7.87比重は金の約40%。構造材としては十分な強度を持つが、酸化しやすく錆に注意が必要。
アルミ(Al)2.70比重が非常に低く、軽量金属の代表格。耐食性と加工性に優れ、航空・自動車分野などに多用される。

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このように、金は一般的に流通する主要金属の中でも非常に高密度で、小さくてもずっしりとした重量感があるのが特徴です。
金の比重が高いのは、原子量が大きく、原子が詰まりやすい並び方(面心立方構造)をとるためです。


金の比重を実際に確かめてみよう

ここまで、金の比重や密度、そしてK18・K24といった品位ごとの違いについて解説してきました。
では実際に、金の「重さ」や「比重」を確かめるにはどうすればいいのでしょうか?

この章では、専門的な設備がなくても身近な道具で比重を感じ取る方法を紹介します。
自分の手で“ずっしりとした重み”を体感することで、数字だけではわからない金の本質が見えてきます。

方法①水中法で比重を測る(アルキメデスの原理)

最も基本的な方法が、アルキメデスの原理を応用した「水中法」です。
買取業者や研究機関でも、比重測定の基礎として使われている仕組みです。

【準備するもの】

  • 0.1g単位で測れる秤※0.01g以上推奨。小型試料はとくに高分解能が必要
  • コップまたはビーカー(中に水を入れる)
  • 細い糸(ナイロン糸など)

【手順】

  1. 金製品を空気中で測定(A:空気中の重さ)
  2. 同じ金製品を水中に沈めて測定(B:水中での重さ)
  3. 次の式に当てはめて比重を求めます。

比重=A÷(A−B)

【例】
A=10.0g、B=9.5gの場合

  • 10.0÷(10.0−9.48)=19.2

これはおおよそ純金(K24)の比重19.3に近い数値です。

注意点

  • 水温は20±2℃を目安にし、温度を記録する。
  • 秤は0.01g分解能以上(小型品は0.001g推奨)を使用。
  • 脱気水(推奨)または常温の水を使用し、気泡が付かないよう静かに沈める
  • 試料表面の気泡はピンセットや筆先で除去
  • 吊り糸・治具の浮力/重さはできるだけ小さくし、必要に応じて補正(タレ補正)する。
  • 宝石付き・中空・空洞のあるデザインは誤差が大きいため、比重値は参考扱いに。

方法②他の金属と“重さの違い”を比べてみる

もし秤を使った実験が難しい場合は、感覚で比重を体感する方法もおすすめです。

同じサイズの銀リング・真鍮リング・金リングを手に取って比べると、金だけがひときわ“ずっしり”と重く感じられるはずです。

この“手に伝わる重みの違い”が、比重(密度)の差です。
金属の中身の詰まり方がどれほど違うかを、直感的に理解できます。

方法③専門機器による精密測定

買取専門店や研究機関では、より正確に評価するために電子比重計やX線分析装置(XRF)、ケミカルテストなどを用います。

  • 電子比重計:アルキメデス法で密度を測定。品位は密度からの推定に留まる。
  • XRF:表面の元素比を非破壊で推定。厚メッキや異材芯は見逃す恐れ。
  • ケミカルテスト:酸や試薬で反応を確認する簡易検査。表面のみの傾向把握で微破壊を伴い、厚メッキや拡散層で誤判定の恐れ。

家庭ではここまでの機材は不要ですが、正確に知りたい場合は、測定手法に通じた査定士・鑑定士へ相談するのが確実です。

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比重を知れば、金の「本当の価値」が見えてくる

密度は重要な指標ですが、単独では価値の決め手にはなりません。化学分析・磁性・導電率・超音波等と組み合わせて総合評価されます。

だからこそ、金やジュエリーを売る際には、単に「グラム単価」だけでなく、比重や品位を正しく見極められる査定士に依頼することが大切です。

当社「ブラリバ」では、比重測定をはじめとした専門機器による鑑定と熟練の査定ノウハウで、お客様の大切な資産を一点ずつ丁寧に査定しています。

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