
「グランドセイコーはやめとけ」という声を聞いたことはありませんか?日本が世界に誇る最高峰の腕時計ブランドでありながら、なぜそのような意見が出るのでしょうか。
この記事では、最新の情報をもとに、グランドセイコーが「やめとけ」と言われてしまう理由から後悔しない選び方、おすすめのモデルまで徹底解説します。
目次
グランドセイコーが「やめとけ」と言われる5つの理由
日本が誇る高級時計ブランド「Grand Seiko(グランドセイコー)」について、ネット上では「やめとけ」という意見がでてきます。
現在の状況を踏まえ、その理由を客観的に分析してみました。これらの指摘には一定の根拠があるいっぽうで、誤解や偏見も含まれているのが実情です。
理由①海外ブランドに比べると資産価値で劣る部分もある
高級時計を投資対象として考える方の中には、ロレックスやパテック・フィリップなど海外ブランドを優先する傾向があります。実際、これらのブランドのように定価の2倍以上で取引される事例は少なく、中古市場ではリセール率に差があります。
そのため「資産価値が低い時計」というイメージが先行しやすいのも事実です。
ただし、グランドセイコーでもSLGH005や限定品は価値が上昇しており、すべてのモデルが資産価値に劣るわけではありません。
とくに、大谷翔平選手の世界的活躍により海外での認知度が急上昇し、資産価値への期待も高まっています。
理由②シンプルなデザインが「高級感に欠ける」という誤解
グランドセイコーは「正確さ」「美しさ」「見やすさ」という腕時計の本質を追求した洗練されたシンプルなデザインが特徴です。
しかし、華やかな装飾を重視する方からは「地味で高級感に欠ける」と感じられることがあります。このような意見はおもに、派手な装飾や一目で分かる高級感を求める層から出る傾向があります。
実際には、グランドセイコー独自の「セイコースタイル」は日本の美意識を反映した高度な技術と美学の結晶であり、時計通や海外の専門家からは「控えめな美しさ」として高く評価されています。
2025年現在、ミニマルデザインが世界的なトレンドとなり、グランドセイコーの美学が再評価されています。
理由③「おじさんくさい」「年配向け」というイメージの先入観
グランドセイコーには「おじさんくさい」「年配向け」といったイメージがありますが、その印象は今の現実を反映していません。実際には若い世代、とくに30歳未満のZ世代にも支持が広がっています。
若者(おもにZ世代と呼ばれる18〜24歳)の約20%が今後1年以内に高級時計を買いたいと回答するなど、若い世代の関心が明確に高まっています。これはとくに中古市場において顕著で、「資産性」「環境意識」「個性表現」の観点で高級時計が選ばれている動きです。
時計業界全体がこの波を受けており、若者向けに従来とは違った姿勢でアプローチするスタイルへと変化しています。インダストリアルな展示や文化とのコラボなど、その変化は市場を刺激しています。
出典:団塊の世代からZ世代まで:年齢層別に見る高級腕時計のトレンド 【Chrono24の高級時計トレンド分析】|繊研新聞社
Gen Z fuels fast-growing second-hand watch market|FINANCIAL TIMES
理由④海外ブランド信仰による国産ブランドへの偏見
日本の時計業界では長年「海外ブランド=高級、国産ブランド=実用」という固定観念が根強く、「海外ブランドの方が優れている」という偏見を持つ方が一定数存在します。
この傾向はとくにステータス重視の層に顕著で、同等の技術力や品質を持つグランドセイコーでも「国産だから格下」と判断されることがあります。
しかし、海外での評価は全く異なります。スイスの権威ある時計賞「ジュネーブ時計グランプリ(GPHG)」でグランドセイコーが受賞するなど、技術力は世界最高レベルと認められており、海外の時計愛好家からは「日本の至宝」として高く評価されています。
理由⑤メンテナンス費用やアフターサービスへの不安
グランドセイコーは高精度を維持するため、定期的なオーバーホールが必要です。とくにスプリングドライブモデルは独自技術のため、一般的な時計店では修理できず、正規サービスセンターでのメンテナンスが必要となります。
このため「メンテナンス費用が高額」「修理に時間がかかる」という不安から、購入を躊躇する声もあります。
ただし、グランドセイコーは業界トップクラスのアフターサービス体制を構築しており、全国の正規サービスネットワークが拡充され、修理期間も大幅に短縮されています。
グランドセイコーを選ぶべき5つの理由
前章では「やめとけ」と言われる理由を検証しましたが、その多くは誤解や偏った見方にすぎません。実際のグランドセイコーは、現在も技術力・デザイン性・ブランド価値のすべてにおいて世界最高水準の評価を受けています。
ここからは、なぜグランドセイコーを選ぶべきなのか、その価値について詳しく解説します。
理由①世界が認める「セイコースタイル」の美学
グランドセイコーの最大の魅力は、1967年に確立された「セイコースタイル」というデザイン哲学です。「平面と二次曲面のみを使用」「鏡面仕上げによる光の反射」「極力歪みのない仕上げ」という3つの基本理念により、他の時計では決して真似できない独自の美学を実現しています。
この「光と陰のグラデーション」を活かした表現は、日本の四季や自然美を時計で表現したもので、世界中の時計愛好家から「芸術品」として評価されています。
理由②世界最高峰の精度と革新的技術力
グランドセイコーは数ある腕時計メーカーの中でもヒゲぜんまいを含めた全てのパーツを自社で生産できるメーカーです。世界でも数少ないマニュファクチュールとして、ムーブメントから外装まですべてを自社で開発・製造しています。
9Fクォーツは年差±10秒という精度を誇り、9Sメカニカルは日差+5秒〜-3秒の高精度を実現。そして9Rスプリングドライブは月差±15秒という機械式時計の常識を覆す精度を持っています。現在でも、この3つの技術を同時に持つメーカーは世界でグランドセイコーだけです。
理由③著名人が愛用する真のステータスシンボル
グランドセイコーは世界的な著名人からも愛用されています。
野球選手の大谷翔平選手は、ロサンゼルス・ドジャース移籍の記者会見でSBGM221を着用して登場し、大きな話題となりました。
また、ハリウッド俳優のニコラス・ケイジ氏も、映画プレミアでSLGA008(ローズゴールド・木目調ダイヤル)を着用しており、自然をモチーフにしたデザインへの共感からグランドセイコーを愛用していることが報じられています。
とくに海外では「Japanese haute horlogerie(日本のオート・オルロジュリー)」として位置づけられ、スイスの名門ブランドと肩を並べる評価を得ています。
理由④圧倒的なコストパフォーマンス
グランドセイコーは、同等レベルの海外ブランドと比較して20〜40%ほど安く購入できるリーズナブルな価格設定を実現しています。例えば、スイスのゼニスやロレックスが展開するハイプレシジョンモデルは100万円以上が相場ですが、グランドセイコーなら60〜80万円程度で入手可能です。
さらに、2021年以降の購入モデルには世界共通5年保証と、修理期限を設けない長期的なアフターサービス体制が整っています。公式では機械式モデルのオーバーホールは3〜4年ごとの定期メンテナンスが「長期愛用のために強く推奨される」と明記。
クォーツモデルについては非公式ながら、「約50年ほど使用可能」で「10〜15年ごとのメンテナンスが妥当」とする意見もありました。
現在、円安の影響で海外ブランドの価格が高騰している中、グランドセイコーのコストパフォーマンスの高さはひときわ際立っています。
理由⑤資産価値の向上が期待できる成長ブランド
グランドセイコーを選ぶべき理由のひとつは、ブランドとしての持続的な成長と、それに裏打ちされた資産価値の向上にあります。
セイコーグループの時計事業は、2024年4月〜2025年3月期に年間で11.7%増(約1,759億円)という大幅な成長を記録しました。その主因は海外市場での販売拡大(約15%増)であり、グランドセイコーの国際的な認知度と需要の高まりを裏づけています。
さらに、2025年度第1四半期にはウォッチ事業全体の営業利益率が13.0%から15.9%へ上昇。業績・収益性の両面で安定性が強化されており、ブランドとしての信頼性が増しています。
こうした数字は単なる企業の好調さを示すだけでなく、グランドセイコーが今後も国際的に存在感を高め、資産価値が期待できるブランドであることを証明しています。限定モデルや人気モデルだけでなく、定番モデルでも「安心して長期保有できる一本」として選ばれる理由になるでしょう。
参考:FY25 Q1 Consolideted Results|SEIKO
後悔しないグランドセイコーの選び方
グランドセイコー選びで失敗しないためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
ライフスタイルに合わせたムーブメントで選ぶ
時計の心臓部であるムーブメントは、選ぶモデルの価値を大きく左右します。
- 9Fクォーツ:年差±10秒の超高精度。電池交換のみで長期使用でき、手間をかけたくない人に最適。
例:初心者にも人気のSBGX261、SBGP013。 - 9Sメカニカル:日差+5〜-3秒。ゼンマイを巻く楽しみや、機械式特有の温かみを味わいたい方へ。
例:名作のSLGH005(白樺)や、クラシカルなSBGH341。 - 9Rスプリングドライブ:月差±15秒。機械式とクォーツの融合技術で、なめらかな秒針の動きが魅力。
例:革新モデルのSLGA021や、SBGA443。
使用シーンとサイズ感で選ぶ
TPOに合ったサイズとデザインを意識すると、時計は長く愛用できます。
- ビジネスシーン:37〜39mm径の控えめサイズ。シルバー文字盤+革ベルトで品格を演出。
- カジュアル:40〜44mm径のスポーツ系。ブルーやブラック文字盤、ラバー仕様で実用性を確保。
- フォーマル:薄型ケース+革ベルト。シンプルで格調高いデザインは冠婚葬祭にも対応。
【2025年版】人気・定番モデル5選
迷ったら、以下の5本を候補にすると安心です。いずれもグランドセイコーの中で広く人気を集めており、初めての一本から長く愛用できるモデルまで幅広く揃っています。
モデル | 価格(税込) | 特徴 |
---|---|---|
SLGH005 | 1,276,000円 | エボリューション9コレクションの代表作。ダイヤルに「白樺林」をイメージした繊細な型打ち模様を施し、9SA5ハイビートムーブメントを搭載。 |
SBGX261 | 308,000円 | 9Fクォーツ搭載のベーシックモデル。ケース径37mmと程よいサイズ感で、スーツにもカジュアルにも合わせやすい。 |
SBGA211 | 902,000円 | スプリングドライブを代表するモデル。純白のダイヤルは信州の雪景色を表現。滑らかな秒針の動きが唯一無二の存在感を放つ。 |
SBGH341 | 1,056,000円 | 62GSをベースにした38mmのハイビートモデル。9S85ムーブメントを搭載し、毎時36,000振動で高精度を実現。 |
SBGP013 | 363,000円 | 最新9F85ムーブメントを搭載した年差クォーツ。電池寿命5年でメンテナンス性に優れ、ケース径40mmの存在感あるサイズ。 |
※価格は2025年9月時点のGrand Seiko公式サイト(税込定価)を参照。
中古市場や並行輸入価格は異なる場合があります。
グランドセイコーは「やめとけ」と言われるが本当は「買うべき」時計
「グランドセイコーはやめとけ」という意見は、多くが誤解や偏見に基づくものであることが分かりました。
実際のグランドセイコーは
- 世界最高峰の技術力と精度
- 日本独自の美学とデザイン哲学
- 海外著名人も認めるステータス性
- 圧倒的なコストパフォーマンス
- 今後の資産価値向上への期待
これらすべてを兼ね備えた、真の「買うべき時計」です。
グランドセイコーは世界中から注目を集める日本の誇るべきブランド。「やめとけ」という古い固定観念にとらわれることなく、世界最高峰の価値を体験することをおすすめします。